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標的5 風紀委員長の退屈しのぎ
「おはよう、母さん」

「にーちゃん、おはよう、皆もう食べてるわよ」

「お先に頂いてるぞ、ニーナ」

「うん、って(ビアンキとランボまで一緒の食卓!?)」



人数が明らかに増えた食卓に新奈は持っていた鞄を取り落とした



「にーちゃんどうしたの?早く食べないと遅刻しちゃうわよ」

「・・・うん」



大勢で食べるご飯も良いかと自己完結し席に着き朝食に手を伸ばす新奈

朝の時間はあっという間、すぐに登校時刻だ



「そろそろ行くね・・・いってきます」

「はい、いってらっしゃい」



そして家をでた新奈を待っていたのは・・・



「ニーナさん!!はひっ!」



先日新奈に電撃告白をした新奈と同じ年の女子・・・

そう同性の女子、三浦ハルが派手にコケテで迎えてくれた



「っちょ、大丈夫?(鼻血出てる・・・)ほら拭いて」

「あ、ありがとうございます!」



鼻血が出てしまったハルは気にせず起き上がったハルを立ち上がらせ

ティッシュを取り出し、両手の塞がったハルの血を拭き取る新奈



「・・・詰めなくても平気みたいだけど・・・一応詰めとくわね・・・?」

「は、はい!」



簡単な処置を済ませ待っていた要件を聞くと明らかに三段はあろう重箱サイズのそれを新奈に差し出した



「で、今日は何の用?ハル」

「ハルの作ったお弁当持って行ってください!」

「お弁当?」

「はい、おとといの夜から頑張って作ったんです!」

「(一昨日って・・・冷え切ってる)」

「いいんです・・・マフィアのボスの妻に成るためには、これくらい何でもありませんから・・・」

「(妻って・・・同性でも使う言葉なのかしら・・・無理でしょう?)」

「はい」



頬を染め差し出される弁当を受け取らないほうがハルの為ではと思いつつも

頑張って自分の為に作ったのだろうと受け取らざるを得なかった



「おはよう、ニーナちゃん」

「京子ちゃん、おはよう」

「仲良いのね」

「・・・うん(私は友達としてなら歓迎するんだけどね)」

「緑中の三浦ハルと申します、不束者ですが今後ともよろしくお願いいたします」

「私、笹川京子、ニーナちゃんと同じクラスなのよろしく」



そのまま三人で途中まで登校するも、京子とハルは随分話が合うらしく

新奈を挟んで二人話が盛り上がっていた、新奈は割り込めず深い溜息を漏らした










「ニーナ随分大きな弁当だな」

「あぁ・・・これ今朝ハルに渡されたの」

「あの女にですか?」



お昼休み自分の弁当を出そうと鞄とハルから渡された重箱を

机の上に出すと其れにいち早く山本が目を付けた



「食べきれないし、母さんの弁当あるから家に持って帰ろうと思うんだけど・・・」

「皆で食べようぜ、三人で食べれば減りも早いって!」

「(一昨日の食材もあるらしいからな・・・)ぁ、売店にレンジあったよね?温めてくるわ」

「十代目オレが行ってきますよ!」

「え?でも・・・」



新奈の手から弁当箱を受け取り山本を引っ張り売店へ足を向ける獄寺



「十代目は屋上で待っててください!おら行くぞ!!」



その場に残された新奈は仕方なく屋上へと足を向けた

弁当を温めてきただけでなく飲み物まで買ってきた獄寺と山本

金額を聞くがいらないと言われ申し訳なさをお昼と一緒に飲み込んだ



「ふぁ〜」

「ふぁぁ〜」

「ふふっ、二人とも欠伸ハモってるよ」



獄寺と山本の欠伸に新奈は思わず笑ってしまった



「コイツがオレの真似したんスよ」

「別に真似したわけじゃねーよ、退屈だから自然と出ちまったんだ」

「お前が断りもなく、十代目の前で欠伸すんのは十年早え!」

「いいじゃんか、欠伸くらい」

「今度十代目の前で勝手に欠伸しやがったらその口にコイツ突っ込んでやるからな!」

「また、そんな花火なんて出して」

「花火じゃねぇ!」

「獄寺君落ち着いて」



ダイナマイトを構えた獄寺に新奈は流石に待ったをかける



「だってコイツ、ナマイキなんスよ」

「一々オレに突っ掛からなくてもイイだろ」

「十代目の右腕はこのオレだ!テメーなんか足の裏の魚の目ぐらいがお似合いだぜ」

「そうやって直ぐに人を卑下するの止めた方が良いよ獄寺君・・・とにかく座って」



新奈の言葉にダイナマイトの火を消し大人しく座る獄寺



「しかし、本当に退屈ッスね・・・なんかビックリする様な事ないスかねー・・・」

「あるぞ」



そう答えた主の元から新奈に毬栗が飛んできた、取り合えずハンカチで防ぐ新奈



「何するのよ、リボーン」

「・・・・・・流石だな」

「・・・痛っ!ちょっ・・・リボーン刺さってる」



周りが棘に覆われた毬栗のような着ぐるみに身を包み転がりながら

新奈に地味な攻撃を仕掛けるリボーン



「何、その格好」

「ひょっとして、Bigな栗でビックリとかってんじゃ・・・」



ポーカーフェイスではあるが無言だったことから肯定と取った新奈はクスリと一階笑う



「当たり?」

「いや、これはウニだ」

「強引ね・・・」

「あははは、おもしれー」



山本の笑い声で空気が和むと仕切りなおしといわんばかりに

毬栗もと言いウニの説明を行うリボーン



「これは満員電車で通勤する相手を尾行する時のスパイ用カモフラージュスーツだ」

「カモフラージュできて無いって・・・
そんなので尾行されたら百人が百人振り返るわよ」

「トゲトゲが恐くて誰も近寄れないから、ゆったり出来るぞ」

「それはスパイと関係ないわよね・・・?」

「ビアンキが小学生の時、家庭科の実習で作ってくれたんだぞ」

「へぇービアンキって工作は上手いのね・・・」

「だから、この棘に刺された者は30秒で天国へ・・・」

「え”・・・っ!」

「丁度30秒、正確だな・・・」



先程刺されてから三十秒・・・新奈はその場に倒れ意識を失った

ビアンキの作るものには毒があるという教訓を胸に










「・・・・・・・・・ん・・・?」

「起きた?新奈」

「ヒバリさん?」



目が覚めると何故か自分の髪を弄んでる風紀委員長に首を傾げ

気を失う前の状況を思い出すがどんな流れで見覚えのある応接室に来たのか皆目見当がつかなかった



「なにしてるんですか?」

「君の髪を弄ってるんだよ」



ゆっくりと起き上がると、いつも三つ編みでまとめている髪は

完全に解け短い毛と混じっていた



「おろしてるの似合ってるよ、おろさないの?」



正面切って言われる照れるため新奈は雲雀から視線を外し

髪で顔を隠す、そんな可愛らしい仕草に雲雀は小さく笑う



「最近会いに来てくれないし、結構群れてるし・・・新奈」

「は、はい・・・」

「一度、咬み殺されとく?」



新奈のリボンを引き顔を近づける雲雀に新奈は赤面し焦る



「えっ遠慮しておきます!!」

「しなくてイイよ」

「〜〜っ」



リボンだけでなく頬にまで手が添えられ迫ってくる雲雀の顔に

逃げるように目を瞑るがそんな行動で相手が止まる訳がない、其れを止めたのは独特の高い声



「おいニーナ」

「っ!り、リボーン」

「ん?」



突然の乱入に新奈はビクリと肩を震わせ窓の方を見る雲雀も不機嫌に其方を見た



「なにイチャついてんだ」

「いちゃ・・・!!?」

「君が何者かは知らないけど・・・僕は今彼女と話をしてるんだ」



突然の第三者の窓からの来訪に、雲雀は眉間に皺を寄せトンファーを取り出した



「邪魔はしないでくれる」

「ヒバリさん!」



新奈の静止は届かず雲雀はリボーンへトンファーを振り下ろした

・・・が自身に届く前にリボーンは其れを十手で防いだ



「ワオ、すばらしいね君」

「やっぱつえーなおまえ」

「勝負したいな」

「また今度な」

「!!」

「!?」



雲雀が面白いものを発見した喜びに目を光らせると

リボーンは火の着いたダイナマイトを応接室へと落としていった

爆発前に新奈は何かに引かれ応接室の外へと身を投げる破目となった

パラグライダーになったレオンにリボーンと共にぶら下がり地上

プールへと着地すると其処に獄寺と山本が座っていた



「リボーン!如何いうつもりよ!よりによって
群れるのが大嫌いなヒバリさんの居る応接室に・・・」



獄寺と山本の怪我が雲雀によるものだと知った新奈は

リボーンを自分の目線に合わせ問いかけた



「危険な賭けだったけどな・・・打撲と擦り傷で済んだのはラッキーだったぞ」

「そうだとしても、無茶にもほどがあるわ!」

「お前達が平和ボケしない為の実践トレーニングだぞ、鍛えるには実践が一番だからな」

「いっぺん本気で絞めるわよ・・・」

「邪魔されたからってオレに当たるなよ」

「違うわよ!!」



青筋を立てリボーンを持つ手に力を込める新奈の背後で獄寺の呟きが聞こえた



「ちくしょー・・・あんなヤツに
この落とし前は必ずつけます、次はブッ飛ばしますから・・・十代目」



何を言っても無駄だと悟り教室へ戻ろうと獄寺と山本を促す・・・そして放課後

三人並んで岐路にと校門へ着くと其処に待ち構えていたのは

獄寺の天敵ビアンキが自転車で自転車でリボーンの迎えに来ていた



「迎えに来たわ、リボーン」

「ゲッ、アネキ・・・ぐぁ!」

「獄寺君・・・」

「じゅ、十代目、お先に失礼します!」

「気をつけてね!」



駆け出す獄寺の背中を哀れに見送る新奈と笑顔で見送るビアンキ



「(苦労するわね、獄寺君)」

「まったく隼人って、意識しすぎよね・・・」

「ぬははは!ランボさんも来ちゃったもんね!
リボーン覚悟!!・・・んぁ、えぇ・・・あぁ!!」



自転車の籠から現れ手榴弾を手にバランスを崩しそのまま自爆してしまったランボ

其れを無視してそのランボが乗っていた籠に華麗に乗り込み

ビアンキとリボーンはそのまま去って行った



「ちゃおっス」



これは最早、最近の新奈の日常風景になりつつある一日であった・・・



**********
あとがき

アニメ史上伝説の作画崩壊話し

もっといちゃつけただろうに画面と向き合うと書けない・・・orz

笑いを堪えるのに必死でした・・・

話的にグダグダなのは分かっているのですが

アニメ見ながらだとこれが限界でした・・・


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あきゅろす。
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