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nvl・L
俺の気持ち・1


その日の夕方、俺はイタチの家にいた。


あの後、家に帰って仮眠をとり、昼には大学のゼミに顔を出した。


ゼミも終わり帰ろうとした時にイタチとたまたま会い、そのまま部屋にやってきた。

イタチとコンビを組む日は頻繁と言っていいほど、イタチとバイトの時間まで共に過ごすことが多い。

いつものように
『もう夜まで居座るのだろう?』
と問うイタチに
『ん。どーせバイトだし、こっちからのが近いしな。』
と当たり前のように答える。


サソリの部屋にとどまることもあるが
事実、イタチの部屋からの方がバイト先まで近場であるため必然的にイタチの部屋を訪れることが増えていた。






鼬『フフッ、そうだな。

だが、俺の家よりデイダラの家の方が近いぞ?』



蠍『ぶはっ!?え!?お…お前!
デイん家知ってたのか!?』


イタチがデイの家を知っていたことに驚き、むせてしまっていた。


…俺は今日初めて知ったのに。
なんでイタチが知ってんだよ…。


ショックを受けた頭では自身にとってよくない方向にしか考えられない。

確かにデイはイタチと2人でコンビを組んでいたし、仲もいいだろう。

…だが、実際イタチよりも関わっていたのは俺じゃないのか……。
いや、関わっていたからといってどうとは言えないが……
いつの間に部屋を知るまでの仲になったのか……

もんもんと考え込むサソリに
『サソリ…お前は分かりやすいな。』
とイタチは微笑を浮かべ声をかける。

その言葉に黙ってイタチを睨み付けた。


蠍『うっせー…。』


イタチはまた口を緩ませた。



鼬『勘違いするなよ?

俺はバイト帰り、たまたまあのアパートに入っていったデイダラを見ただけだ。

向こうは気付いてはなかったがな。』




蠍『そ…そうなのか?』


イタチの言葉にほっとしたのも束の間。一瞬で色んな想像をした自分を恥ずかしく思った。





鼬『サソリ…。お前…デイダラのことをどう思ってるんだ?』



蠍『……。』



イタチの唐突な問いにはサソリは黙ってしまう。
それに構わずサソリは続けた。




鼬『ただの後輩……とか、本心でない答えは認めないぞ。』


蠍『……。』



イタチには敵わないな。

観念して、サソリは今の正直な気持ちを答えた。



あきゅろす。
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