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nvl・L
訪問・2


先に口を開いたのはデイだった。



泥『旦那……。なんか話したいことがあるんだろ?』


蠍『…!?』


泥『ハハッ。旦那分かりやす過ぎ!』



蠍『…気付いてたのか?』



泥『…ん。旦那、顔に出てたからね。

……朝会った時から。』



前にもイタチに同じことを言われたことを、サソリは思い出した。


俺ってそんなに分かりやすいのか?

だが、正直今まではそんなことを言われたことはなくて、
それどころか今までの何人かの彼女達に
『あなたが何を考えているの分からない。』
と言われたこともある。

だが、イタチのこともそうだ。
デイが関わると自分らしさを失ってしまう。

何故だろうと頭を抱えるサソリであったが
今はそれどころではない。
本題に入ろうと話しを進めた。


蠍『あぁ…。…取り敢えず単刀直入に話す。深夜に女がきた。』


泥『女?』



蠍『お前のことをデーラと呼んで、探しに来ていた。
茶髪にパーマをあてた女で、お前の彼女だと言っていた。

……また来るかも知れないぞ。』



泥『……。』



デイは黙って考えていた。心当たりを探しているのか?

確かにどこにでもいるような髪形の女を指摘しても分かりづらいだろう。

だが、デイは女と関わっていたのだから、分かってもいいんじゃないか?






……まさか……。






蠍『…心当たりが有りすぎて分からない?』


泥『……。』



沈黙は肯定と取れる。


正直サソリは驚いていた。

あくまでもサソリの印象では、女っ毛のないうぶなイメージのデイ。

一応男であるので、当たり前なことかも知れないが、デイの意外な一面を見たような気がする。

困惑しながらもサソリは続ける。



蠍『お前の写真を持っていた。

ちょっと前のだと思うが…。雰囲気は違うが、紛れもなくデイが写っていた。』



泥『…んーそっか。まさか来ちゃうとはね…。』



蠍『…心当たりあったのか?』



泥『……んや、分からない…。

旦那のいう通り、心当たり有りすぎて……、うん。』



失笑しながらデイは続ける。


泥『前に関わっていた奴らには、デーラって名乗ってた。

それに、あんま関わってた女のこと覚えてないんだ。』



視線を落とすデイ。

その目にはまだ言いにくい何があることがわかった。


蠍『…そうか。…だが何かあったら俺に言えよ。

話しぐらいなら聞いてやる。』


真剣にデイに向き合って答える。
(何があっても、お前を支えてやる。)



泥『旦那何時になく、やっさしーい!…何だ?どうした?メンテしたほうがいい?』



蠍『俺は人間だ!

傀儡じゃねーぞ!』


調子を取り戻したデイに少なからずサソリは安心した。



あきゅろす。
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