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もういっそ壊してくれ
7


 大丈夫アイツなら、頑張れよ、などといい加減な励ましは絶対に出来ない。俯いたままのアキを置きざりに俺は突発的に早足になった。


「…え、留亜、どこ行くの「遅れていく!必ず授業でるからアキ先行って!!」……」


 廊下を掛け出した。


 向かうは

 あの


 旧校舎。


≡≡≡≡≡≡


「やっぱりかよ…」

 別棟の定位置、生野は階段の中段あたりに前かがみに腰を下ろしていた。俺は荒くなった呼吸を整えながらもゆっくりと近づく。


「次、化学室だけどまたサボるみたいだな」


 座ったままの生野は、一階から二階へと続く手摺りを握る俺を見下ろし確認する。そして無言で視線を反らした。


「…シカトかよ。
俺はどうでもいいけどお前心配してる奴がいる。授業出ろよ」


 そう無愛想に告げると今度はしばらくの間だけ俺との目線を絡ませ、少しだけ口角を上げ意地が悪そうに笑った。


「聞いたぜ。あいつガキのころからのダチらしいな」


 別れたあの日以来に聞いた声と、遠くからの始業ベルが重なる−−−。


「その“あいつ”が心配してんだよ。いいから早く立てよ」

「…」

「アキは優しいから…だからお前のこと心配して悩んでんだよ。

なのにお前は、相変わらずサボり魔で、自分勝手で、俺様で、わがままで…
どうせ、アキのことも…」


 その瞬時、生野が目を見開くが気付かない俺は勢いのままに続けていた。


「…俺のとき、と同じように付き合ったらアキは絶対に持たねぇ…分かんだろ…?

だから、いつも安心させてやれよ。
もし、
傷つけんなら俺は……」


−−どうすんだよ


「だいたいお前みたいな人間が、なんでアキと…」

「…」


−−なんで


 次の生野の声に、息巻きながら口を走らせていたことを俺は心底後悔する。


「なあ、滝沢。


さっきからお前何様なんだよ」





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