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もういっそ壊してくれ
3


 進級して1週間が経過した朝、2-Cの教室は雑談に包まれていた。

 俺はアキと同じクラスになった。互いの席は離れてはいるものの、暇があるとニコニコと寄ってきては目の前で笑う。立ったまま話すアキに前の席の男が言い出した。

「河合、担任来るまで座ってろよ…足疲れんだろ?」

 そしてわざわざ椅子を差し出す。

「ぇ、いいの…?どうもありがとう」


 天使のような柔らかい笑顔で返した瞬時、真っ赤な顔を隠しながら教室を出ていく。

 男なのが信じられないほどに可愛いらしいアキ。170センチない身長、真っ白い肌、小さく細い指を見れば、思わず目を細めたくなる。

 大きな瞳は茶色の縁取り、唇は小さいピンク色でプルンとしている。染めてなどいない髪が光りを浴びると茶色に反射し、本人は嫌っているらしいがクルッとしたくせ毛がよく似合っていた。


「ねぇ留亜、聞いてないでしょ…」


 無防備にアキを見つめていた俺は釘を刺された。

「んなむくれんなって、ちゃんと聞くし」

 そう笑いながら頭をクシャと撫でれば、アキは少しだけ頬を膨らませる。そうかと思えば急に神妙な面持ちになり、机から身を乗り出すと耳元へと口を寄せてきた。


「あの、僕ね…
か、


彼氏が、出来たんだ…」






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