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もういっそ壊してくれ
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「ねねっ俺いい店知ってんだよ。もちろん全部俺たちの奢り。だからさ、遊ぼ?」

「ぇっ…で、も…僕たちは今から買い物、に…」

「付き合う!それ付き合うからさっ、その後は…」

「ぁの…、でも…僕た、ち…」

 軽く跳ねのけられない性分で、いつもオロオロと目を泳がせては、俺に助けを求めてくる。だから−−。


「こいつ俺ンだから絡まないで。
ほらあっちにモデルっぽいおねーサンがいるじゃん」

 俺がそう追い払うと後々になり「留亜のって誤解されるような言い方していいの…?…僕ら恋人同士じゃないじゃない…」真っ赤になり本気にする。


 そんな素直すぎるアキが可愛くて、俺はわざと引っかかるような言い方をしてしまう。そうすると「留亜のばか…意地悪なんだからっ」とプクと頬を膨らませる。


 俺はアキといると必ずといっていいほど、無邪気に走り回っていた幼少期を思い出す。まだ小さく、全身から“我”を押し出していた。遠慮や気遣い、駆け引きをする必要などなかった。


 恋愛など論外。

 胸が苦しい経験をしなくてもよかった。


 アキに生野とのことを暴露するつもりはない。


 明日は始業式で進級する。クラス替えがあるので生野と同じクラスになる可能性は低いだろう。


 そして未だに生野を頭から追い出せない自分が滑稽で笑ってしまうのだ。






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