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もういっそ壊してくれ
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 3日後、ようやく生野は現れた。朝から荷物があることに気付き辺りを見渡すが、当人はいない。


「生野は…?」


 と、友人との会話の合間に伺えばいいのだが、生憎親しくしている友人は生野が転入してすぐ、魂を抜かれていた。


 その為なのか、先日の一件以来距離を置かれている気がしてならない。

「留亜の言ったことは正解だよ?風邪は人に伝染るしね。でもなんかさ、腑に落ちないんだよ。重病の生野にあの態度。もっと、こう別の言い方でも良くない?」


 留亜の人間性疑ったよ…あの日、呆れ顔でそう言われ若干テンションが落ちてしまった。


 あれから電話もメールもスッパリと止めた。心配していないわけではない。風邪はそれなりに身体に負担がかかり、咳が出始めれば夜も眠れない。もしも生野がそんな目に遭っていたら同情せずにはいられない。


 だけど−−。


 そこまで弱ってしまったら、いつか俺を頼るんじゃないかと不謹慎な期待を抱く俺もいる。


−−変だよな…完全変だよ

「とりあえず、謝んねーと…」


 ここ数日、消化しきれずにいる胸のつかえを払拭したい、何よりも生野に会いたいのかもしれない。


≡≡≡≡≡≡


 旧校舎扉の鍵は案の定、解除されていた。俺は生野が校舎内にいると確信し、無惨に投げ出された鉄の渦を踏む。ジャリという音が意外に大きく、急いで周辺を見渡すが、今の時間に此処に近づくのは、生野と俺くらいだろうと落ち着いて侵入した。





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