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もういっそ壊してくれ
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 ギリッ。


 唐突に胃が痛み出し、鳩尾付近に手を宛てる。済ませたばかりの夕食は和風の献立だった。五穀米、筍の入った薄い味付けの吸い物、生姜の乗った真鯛の塩焼き、デザートは出来合いの完熟みかんゼリー。


 油っこい物を食した記憶はないのだが、やたらとムカムカする。


 最悪の気分だった。腹の具合も優れない上に、生野に至っては無視をする。


 生野とは、すれ違いが多いような気がしてならなかった。


「すれ、違い」


 そう小さく呟き、放り出し電話を眺めたが、やはり着信はない――。


 もともと最初から、交わっていなかったのかもしれない。


 虚しさだけが胸を覆いつくす。苦しいだけの恋愛はごめんだ。性に合わない。


『無理すんなよ』


 最後とばかりに6文字だけのメールを送り、天井の電気を消した。




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