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もういっそ壊してくれ
8 ※


 磨りガラスのドアを一気に引くと共に、鼻に鈍い衝撃を受けた。


「!!」


 咄嗟に鼻を押さえ見上げれば、表情のない生野と衝突したのだと直ぐに気付く。


「…やっぱここか。わかりやすいなお前…つか身体、大丈夫か?」

「…」


 手に血が付着していないことに安堵しながら言うと、生野は沈黙を保ったままだった。


「やっぱ、怒ってんのかよ…っぐ?!」


 そして下手に出ようと考えていた俺は、両襟を強く掴まれ強引に校内へと引き込まれた。


「…んだよ!」


 びっくりして生野を見れば、底意地の悪い笑みを張りつけていて、背中が凍りつく。


「ちゃんと覚えてんだろーな?こないだ俺に言ったこと」

「…教室…で?」

「それ…てめぇ帰れってウザかったよな?
あれから家に着くまで大変だったんだぜ?
途中何度も死にかけたしよ」

「…生きてんじゃん」

「言うね…けど笑えねぇよ残念」

「……」


 掴まれた襟をグンっと引っ張られ、そのまま壁へと押し当てられ、直後激しいキスに襲われた。


「!…っンン!!!」


 その全く躊躇しない舌の攻撃についていけず、俺は完全に置いていかれる。生野は俺の舌が痺れるほどに強く吸い付き引っ張った。そして−−。


「ほんっとイラつくんだよ!お前みてぇな生意気なガキが…!!」

「!」


 そう怒鳴り付けた生野の指に爪を立て抗うが、襟元を余計に絞められ挫折感が勝る。続けて俺の舌をくちゅくちゅと噛みながら、器用に尋ねた。


「俺をどうしたい…?」

「っ…るし…ッは……んッ」

「ほら滝沢。言えよ、言ってみろ」


 生野が唇を開放したとき、銀色の唾液の線が繋ぎ切れる。荒い呼吸を落ちつかせ視線を絡めると、嘲笑っているような冷酷な瞳で見下ろしていた。


「三浦たちに触られただけで嫉妬で怒り狂いやがって。
俺との関係がバレんのが嫌で嫌で、人前じゃ声すらかけたことなかったお前が。

そんくらい俺を、
自分の思い通りにしてぇのか…?」

「…ッ!!」

「ガキが生意気なんだよ!!」





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