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もういっそ壊してくれ
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 返信がない。


 今朝から何度も送信したメールの返事が、深夜になっても届かない。


「あいつ、またシカトか…」

 俺は自室のベッドに横たわり、携帯電話を端へと追いやった。

 今日、生野が学校を休んだ。「風邪だという電話をもらった。皆も気をつける様に」担任から知らされ、俺は何故かそれが気に食わなかった。机の下、回りに気付かれないよう細心の注意を払いつつ、文を作成する。


to 生野 真崎
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sub 寝てる?
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本文


起きたらでいいからメールしてよ


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 それから、昼休み、下校途中、帰宅した直後、風呂に入る前と、同じような類いを送信した。


 最初は本当に心配だった。薬は飲んだのか、飯は食えたのか、まさかインフルじゃねぇよな、もし倒れてたら……


 相手からのリアクションは皆無、そのせいで悪い妄想だけがやたらと膨らでいった。しかし、帰宅して冷水を飲んだ直後から、気掛かりが虚しさへと変わっていった。


 気が滅入るのは、それが今日だけではないということだ。生野と付き合い数日しか経っていないが、電話に出ない、そして今回のように返信がないのは情けないが初めてではない。


「寝てた」「メールに気付いたのが遅かった」と後々説明されるが、俺は決して納得などしていなかった。



≡≡≡≡≡≡


 誰もいなくなった放課後の教室、ムッとした顔をすれば釣られた生野も機嫌が悪くなる。


「で?俺が謝れば気が済むわけ」


 低い声を浴びせられると、眉間に皺を刻む自分に気がつく。

 外はもう暗い。先程までグラウンドから聞こえていた運動部員の掛け声もパタリと止んだ。


 スラックスのポケットに両手を突っ込み、机の端に浅く座りつつ眼前で直立する俺を睨み上げる生野。しかし、俺も怯むことなく目線を合わせ言い返す。


「なんでお前がキレんだよ」

「さあ、逆ギレかも。俺わがままだから」


 その相変わらずな軽薄めいた態度に、唇をぎりと噛みしめた。

 どす黒い感情を抱き悶々としていたためか、誰かがドアを開いた音を察知したのは生野だけだった。


「お前ら、何やってんだ!!」





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