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もういっそ壊してくれ
9


 階段の中段辺りに腰を下ろしている生野と対面し名前を呼んでしまった。


 退屈な授業、熱っぽい信者の存在から逃れてきたのだろうか、生野は一瞬驚いた顔を見せ俺をそのまま眺めた。


 眉目秀麗な男−−。


 そして視線を交わしたと同時に、俺の心臓が激しく動き出す。まるで呼吸の仕方を忘れてしまったかのように、息が微妙に詰まった。


『サボりかよすげぇ根性。ウチ来てまだ2日目だろ?それに、どうやってココ入った?』


 生野の声が聞きたくなり、気を引くためのセリフが頭に浮かぶ。


 だが−−。



 俺が
 喉の奥を意識して必死に吐いた言葉は、酷いものだった。







「生野、好きだ」







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