[携帯モード] [URL送信]

もういっそ壊してくれ
5 河合アキside


 三浦くんのセリフに頭痛と目眩が襲ってくる。それは留亜と生野くんが付き合っていたのでは、という過去を匂わせる言い回しだった。

 さらに留亜に対しては行動を起こし、僕の知らない彼の一面があると知ってしまう。

 何に対しても無気力で、行動派ではないと決めつけていた僕の虚像。そして


「アキが思ってる通りだよ




生野と付き合ってた。



だから…番号知ってるし、別れたから避けてた」


 問いただせば、留亜が認めた。誰にでも過去はある、さかのぼると留亜はいつだって彼女がいた。男女の垣根を超えモテるのだし、恋愛経験が豊富だろう二人ならば、おかしいことは何一つない。


 だけど−−。

 
 図書室でのキスの一件や、そのときの表情で、僕は留亜がまだ生野くんを引きずっていると改めて確信してしまう。


 何度も見た胸苦しそうな表情は、今にも泣き出しそうだった。


 もしかすると生野くんも−−−−−。


 付き合っているのは留亜ではなく、この僕だ。


−−僕だけを見て

−−留亜はただの元カノだ…!


 そうなると怖くて堪らなかった。その恐怖に比例し、焦りや嫉妬が増大していった。


 いつからか、僕は僕を見失った−−−。


≡≡≡≡≡≡


 不登校になって数日後、留亜に電話をかけ生野くんへメールを送信する。


『明朝8時に体育館内倉庫に来て下さい。留亜も来ます。待ってます』


 返信はなかったが、彼は絶対に来るという盲信は、きっと間違いではない。渦中の二人を体育館へと呼び出せば、その予感は見事に的中した。留亜が絡むとなれば生野くんは無視をしない、という腹立たしい直感−−。






[*back][next#]

5/22ページ

[戻る]


[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!