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もういっそ壊してくれ
4 河合アキside

 
−−生野くんは僕の名前知ってるのかな


 あの返事は錯覚だったのではと悲しくなるほどだ。なぜなら彼からのアプローチは皆無。電話番号やメールアドレスの交換もしていない。それ以前に、話しかけてさえもらえなかった。


 そこで3日目の早朝、プロフィールを書いた紙を彼の靴箱へと忍ばせた。しかしメールが届いたのは5日後のことで、11桁の電話番号と生野真崎という文字のみ。
 

 初めてすれ違ったときも、彼の気を引きたくてたまらないだろう大人数の生徒を相手に、無視を決め込んでいた。そんな生野くんだから受動的で、例えば自ら行動を起こすことを苦手としているかもしれない。


−−僕だけじゃなくて、誰かと話してるとこも見たことがないし…


 僕にとっては初めての経験だ。恋人同士の付きあいとはこんなものだろう、きっと今だけだろうと、自分に強く言い聞かせ心の余裕を保とうとした。


 そんなふうに都合よく解釈しながら、日々を過ごしていると別の問題に出くわした。


 それは僕の親友、留亜の存在だ−−。明らかに何かを悩んでいてよそよそしくなり、徐々に僕から距離を置くようになった。


 そこで僕は思い出した。初めて留亜に告白した、あのときを−−。


『僕ね、彼氏が出来たんだ』


 そのときの留亜の顔は色を無くしていた。

 そして、あまり笑わなくなくなった。一体何が原因なのだろうと考えていると、ある人物に行き着く。

 生野くんに関わることを受けつけず、彼を拒絶しているのではないか。

 そのうちに、その違和感が単なる思い過ごしではないと知ることとなる。


『生野 真崎と滝沢 留亜』

『生野が転校してきた初日の話なんだけどね…。
生野ってあんな感じだろ?ほらっ人にキョーミない、近づくなオーラがんがん出しまくってるし』

『なのにフレンドリーな俺らは完全シカトして、
生野、滝沢にだけ声かけてさ』

『なんかトイレの場所聞いてたみたいだけど、
でもなんでソレをわざわざ滝沢に聞きに行く?』

『しかもね、次の日よ!!次の日が大問題!!
次の日な…朝から滝沢サボり行ってて、なんだ不真面目な奴って思ってて…。
で気付いたら生野もいつのまにか消えてるし。どんだけマイペースなの?やっぱ神なの?ってある意味感心したけど』

『でも!だけどさ……。
いつまでたっても二人は戻って来なかったんだよ…』


『コレ怪しくね!?完全怪しいよなッッ!?
お前ら、今まで、どこで、ナニしてたんだよって話…!!』






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