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もういっそ壊してくれ
4


 教壇の前に佇み自己紹介したときよりも、更に近距離で生野を見てしまった俺は酷く動揺した。そして見惚れていた羞恥と、だからといって目を反らせられない今の自分に焦りが募る。


 徐々に顔が赤くなっていき、心臓の振動も先程よりずっと早くなった。その上、手に汗が滲んで気持ちが悪い。


 生野は俺をただ見ていた。その眼は揺れることもなく、
閉じられることもなく、
無情のまま−−。


 そしてスッと視線を外しては、また外を眺めだす。そこで俺はようやっとシャープペンを握る気になった。ドキドキが収まらないまま、ひたすら数式を書き綴った。


−−あー疲れてんだよ俺は。学期末テストほとんど一夜漬けで、あんま寝てなかったし。だから脳がまともじゃねんだよ。だからだろ!


−−生野は男だ。俺も男!男に一目惚れとか笑えねぇ……







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