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もういっそ壊してくれ
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 もうすぐ終了式。あと数週間で春休みを迎える2月の下旬に生野 真崎(ショウノ マサキ)は俺の通っている都立上成(ジョウセイ)高校へ転入してきた。


 その日の朝−−−。


『なぁんでこぉんなビミョーな時期に転校してくんだ』
『なんかーヤベぇことしたんじゃね?』


 そんな外野の会話に興味を持てずに机を枕代わりに抱きしめていた。


「眠ぃ…」


 そう一人呟いてみて瞼をゆるく閉じたままSHL開始のチャイムを聞く。ガラ、ガラと滑りの悪いドアが開くと溜まっていたクラスメイトが自分たちの席へと戻り、ようやく体を起き上がらせることができた。


 そして担任の中年男性教諭が口を開けば、クラス全員がどよめいた。


「転校生を紹介します」


『マジですかッ。このクラスだったのかよ』


 ガヤガヤと会話が交差する中、担任が転校生を手招きする。廊下で待っていたんだろうソイツが教室へと足を踏み入れた瞬時、教室中がシン…と静かになった。


「生野です」


 真っすぐに前だけを見てそう言うとクラス内が一斉に騒ぎだした。


『あらま、美味そうなイケメン君だね』
『極上すぎー。ザ、転校生。フェロモン垂れ流してるぅ』
『俺、タチ専だけどアイツとなら出来る間違いなく。にゃあにゃあニャンニャン鳴いてみたーい』
『俺の股間が限界です、艦長ーーッッ、マグナム砲発射許可願います!』


 そんな腐った男子校特有の、男子校でのみ許される会話が飛び交う。


 無理もない。


 転校生、生野はとんでもなく綺麗な美丈夫だった。





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