怖い話
リストバンド
夏は大体リストバンドをしてるけど俺は2年前にそれに関わる怖い思いをした。夏なだけあって肝試しに行った。幽霊はいなかったけどぬる〜い空気で気持ち悪い感じのする夜だったのを覚えてる。その次の日から異変は始まった。妙に左手首が疼いていた。リストバンドで隠れててその時は気付かなかった。一緒に肝試しに行った友人は頭痛を訴えていた。また次の日友人は変わらず体の不調を訴えていた。俺はというと手首の疼きは一晩寝ると治っていた。幽霊にでも取り憑かれたんじゃないか?と友人を笑っていた。しかし後で考えると俺は馬鹿だった。次の日からは再び手首が疼いていた。締め付けられる痛みが伴い、我慢できなくなった俺はリストバンドを外してみた。その瞬間俺は息をのんだ…リストバンドに隠されていた手首にはハッキリと手で握られたような跡が残っていたからだ。親にはばれたくなかったので家でもリストバンドをはめていた。しかし夜には痛みがなくなるので寝ることはできた。一方友人は頭痛は治り、ただの体調が悪くなっていただけだったらしい。俺はそれから一ヵ月その痛みと戦った。さすがに顔に表れたらしく親からも体調悪いのか?と聞いてくるようになっていた。手の跡は消えず、体力に自信のある俺も衰弱してしまいこのままだとまずいと思い塩を持ち歩くようにした。それから手首の痛みは消えていったが一週間するとお祓いに行くことになった。なぜかというと痛みも消えて不安もなくなりグッスリ寝ていると急に手首が痛みだした。前までと違う強烈な痛み。夜には痛みを感じたことはなかったのにその日は違った…あまりの痛さにうめき声をだすと母さんが部屋に入ってきた。すると母さんが叫んだ。その瞬間痛みは消えた。母さんが青ざめた顔で「明日お祓いに行くからね!今日はもう寝ないで一緒に居間にいよう!」と言ってきた。俺は訳が分からず、その日は母さんの不安そうな顔に従い起きていた。母さんは居間では一言も話さず、俺もなんとなく話せなかった。翌日すぐに近くの寺にお祓いに行った。母さんは真剣に手を合わせていた。お祓いが終わり、それからは痛みも跡もなくなった。家に帰って母さんにあの時なんで叫んだのかと聞くと、こう答えた
「真っ白な服を着た白髪の女があんたの手首をつかんでいたからよ…」


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あきゅろす。
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