怖い話
廃病院
私の住んでいる町の隣町には昔は村として人が住んでいたが、今は誰も住んでいない場所がある。そしてそこにあった病院も今では廃病院となり、まだ病院として機能していた頃のまま注射器やメスなどの小さな物は残されているそうだ。崩れかかっている不気味な内装と廃病院ということもあり、そこは地元では有名な心霊スポットである。私の友人Mがそこに肝試しに言った時に実際に起きた話をしてくれた。
その日Mの家に友人が3人泊まりにきていて、Mは友人と4人で車でその病院に行った。時刻は夜中の2時…もう人の住んでいない場所なので外灯も所々にしかなく辺りは真っ暗だった。暗い道をしばらく進むとようやく目当ての廃病院へ辿り着いた。車を降りて病院にライトを向けると、幽霊がいるのが当然という程の不気味さだった。入り口には草木が生えガラスは割られていたため楽に入ることができた。Mたちは全員で病院の中を探索した。1階から3階までくまなく歩いたが何も起こらず全員が安心していたが内心物足りなさを感じていた。そこでいたずらで1階にあった診察室のレントゲン写真を持ちかえることにした。そして病院から出ようとして入り口に来た時に急に生暖かい風が中から外に向かって吹いた。全員驚いて後ろを見ると天井から長い髪を垂らした女の顔が半分だけでてこっちを睨んでいたのだ…全員無我夢中で走り、車に乗り込み病院から逃げた。Mの家に着くと友人の1人に電話がかかってきた。部屋はさっきの出来事で静まり電話の相手の声も聞こえた。どうやら母親からの電話らしく「もしもし。何?」というと『あんた今どこ!何してるのさ!』と怒っている。友人が「今Mんちに泊まってんだって!昼言っただろ!」しかし友人の母親の次の言葉で一瞬で全員の顔が青ざめた…

『今病院からあんたがレントゲン写真盗んだって電話きたんだよ!早く返してきなさい!』



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