怖い話
浴室
皆さんも浴室で誰かに見られている気がしたことはありませんか?これはそんな話です。
私はその日は伯母の通夜でした。知らない親戚や伯母の生前知り合いだった人ばかりで気疲れして家に帰りました。やっと一人暮らしにも慣れたと思った矢先に、とてもよくしてもらっていた伯母の他界の知らせで一気にへこんでしまいました。そんな時だからあんな事が起きてしまったんだと思います…家に着くとまず布団に寝転がりしばらくボーっとしていました。笑顔の伯母を思い出していると涙がでてきました。しばらく泣いていると急に寒気が走りました。疲れてるから風邪でもひいたのかと思い、お風呂に入って寝ようと思い浴室に向かいました。しかし服を脱いでいると強烈なめまいに襲われ倒れこんでしまいました。その時に別の原因を想像するべきでした。体の疲れだと思い込み浴室に入ってしまいました。そして頭を洗っている時に変な感じがしました。いつもも誰かに見られている気がする時はあるのですが、その時は何人もの人がいろんな方向から見ている感じがしました。実際私の浴室は一人しか入れない程なのでいろんな方向から見られるなんていうのは無理な話です。しかし私に強烈な視線を投げ掛けている存在が確かにいる感じがしました。すぐにシャンプーを流し周りを見ても誰もいるはずがありません。気持ち悪くなりながらも気のせいだと言い聞かせお湯に浸かりました。するといつの間にか少し眠っていたようでした。ふっと目を開けて目線を下に戻すと私はすぐに浴室から出てドアを閉めました。目線を下に戻した時に私の足のあたりの水面から女の人の顔の上半分だけが私を睨んでいたからです…しかし浴室から出てから我に帰ると夢だったんじゃないかと思い再びドアを開けて見てみました。すると壁や天井から苦しそうな顔や傷だらけの顔、憎しみのこもった顔が出ていました。私は恐怖ですぐに家を出て友人の家に行きました。そして次の日友人に勧められて有名な祈祷師の方に診てもらいました。すると私の体の気が弱まっていると言われ、昨日の話をすると。通夜というものは人が死んだ時に霊界に行けるようにする儀式で、その時に一時的にあの世への扉が開くので気が弱まっている私の体にあの世の住人がくっついてきてしまったという事でした。私がお祓いを頼むと、その祈祷師はお札だけを渡してきて「あなたには亡くなられた伯母さんが見守ってくださってる。このお札は守護霊の力を強めるものだから、後は伯母さんがあなたを守ってくださいます」と言いました。私は半信半疑で家に帰ると昨日までの重い空気が無くなっていて浴室の顔もでなくなりました。それからしばらくしてお札を見ると文字が書いてあったのが真っ白な紙になっていました。私は今も伯母さんが守ってくれてると思いながら健康に過ごせています。



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あきゅろす。
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