怖い話
支笏湖
北海道の千歳市には支笏湖と言う湖がある。休日などは家族連れでにぎわう。しかしその場所は『死骨湖』と呼ばれるもう一つの裏の顔を持つ。支笏湖はもともと森林だった場所に水が溜まり湖となったので水中には枯れた木々が多く生えている。そのため支笏湖で入水自殺した死体や、殺されて投げ込まれた死体は水中の木々に絡まり浮き上がってこないらしい。そのためか供養されずに成仏できない霊が多く漂う心霊スポットとなっている。札幌市の会社員Nさんは仕事の帰り道に支笏湖を通る。いつもの道だが今日は遅くなり車通りが少なかった。見慣れた風景が時間が数時間ずれただけで不気味さが漂っている。すると急にバックミラーに光が映り後続車がグングン近づいてきた。そしてあっという間にNさんの車を追い抜いて行った。しかしNさんはその車が追い抜いていく時に恐ろしいものを見てしまった。真っ黒な車の横にへばりついて中を覗いている真っ赤な服を着た女…Nさんは震える手を抑えながらハンドルをにぎり頭の中を整理しはじめた。あんなへばりつき方はどう考えても幽霊としか思えなかった。そしてさっきの状況を反復しようと再びバックミラーに目をやると後ろの窓に血まみれの女がへばりついてNさんを睨んでいた。Nさんは恐怖で頭がいっぱいになった。そしてさっきの女がこっちに乗り移ってきたと思い、振り払おうと速度をあげた。しかしいくら速度をあげても女は振り払えず、車の外を這いながらゆっくりと自分に近づいてくる。ついに女は運転席の所まで辿り着きドアをガチャガチャと開けようとしていた。その時、前に車が見えNさんは泣きながら抜き去った。すると女はものすごく悔しそうな顔をして消えていった…Nさんは訳がわからないまま助かったと思い速度を緩めた。しかしNさんはすぐに速度をあげた。さっき自分が追い抜かれた時にあの女は乗り移ってきたんだからまた抜かれた時に自分に乗り移ってくるのではないかと思ったからだ。そしてさっきはちょうど車がいたからいいが、次は追い抜く車がなかった時はどうなるか…


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