怖い話
霊園付近の電話ボックス
ある霊園の近くには電話ボックスがある。そこでは女の霊がでると噂があり、噂に興味を持ったKさんはわざわざその霊園まで遠路はるばるやってきた。初めての場所だったがすぐに電話ボックスを発見できた。Kさんは何度も心霊スポットを見ていて、心霊スポット独特の生温い空気の漂う嫌な感じも知っていた。しかしその電話ボックスにはそんな感じはまるでなく、ごくごく普通だった。人影もなく、ただの暗い場所にある電話ボックス。ただの噂か…そう思ったKさんは車を停め、情報をくれた友人に報告しようとボックスに入った。「もしもし?俺だけど。今例の心霊電話ボックスの中から通信中〜。な〜んてことありませ〜ん!」Kさんは明るく言ったが友人の声は緊張していた。『いいかK。しばらくそこから出るな!』「どうして?」すると背後からコツコツという女性のハイヒール特有の足音が聞こえてきた。『K!何でもいいから話し続けろ!無視するんだ!』霊感が強い友人の言葉を聞き、Kさんは自分の置かれている状況に気付き、友人の言った通りにどうでもいいことを話し続けた。声を裏返し額に玉のような汗をびっしりと浮かべながら…足音は電話ボックスの前で止まった。振り返ることなどできるわけがなくKさんは受話器を握り締め話し続けた。「きょ、今日は天気いいなぁ〜星見えてるよ。でも明日は雨降ったりして…ってそんなんどっちでもいいか。ははっ…そいえば仕事調子どうさ?…」

…コツコツコツ………

3分程で足音は遠ざかって行く音が聞こえた。Kさんはそれでも話し続けた。50度数のテレホンカードを使いきってしまうまで…



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