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明日の空
標的63 指輪の大切さ


『どうしようかな…』

あたしは目の前にある二つに割れた指輪を見て呟いた

それは約1時間前のこと



「ありがとう空ちゃん、助かるよ〜」


『どういたしまして』


今日はみんなでツナの家で勉強

メンバーはツナ、獄寺、山本、ハル、京子
そしてあたし


最初は真面目に勉強(宿題)してたんだけどランボが入ってきて獄寺とハルが喧嘩になってしまった

んで騒がしくなって、あたしはシカトし続けツナに勉強を教えていた


『はい、終わり』


「空ちゃん早っ!!」


そりゃあ中学の問題だしさ、しかも中2だよ?
できなきゃヤバいって


『ツナ…ここ間違ってる』

「え、本当?」

『ここはこれにxを代入すると解けるよ』

「えっと…こうかな?」

ツナはチラッとあたしの方を見る
可愛いな

『うん、そうそう!!ほらあと少しだよ!!』

うん、と言ってツナはあとの問題をやった
それにしても騒がしいなあ
京子と武は獄寺とハルを見て笑ってるし
元気だなぁ


「空姉〜」

フゥ太があたしの隣に座ってきた

『どうしたの?フゥ太』

「空姉の首にかけてある指輪って綺麗だね!!空姉にスッゴく似合ってるよ!!」

嬉しいこと言ってくれんなフゥ太よ
あたしはフゥ太の頭を撫でてありがと、と言った


「本当、空ちゃんに似合ってるよね」

ツナまで…可愛いな
嬉しいなあ


「空姉よく見せて!!」


あたしは首からかけてた指輪をはずしフゥ太に渡した


「きれ〜」

フゥ太は指輪を見ながら言った

「この指輪は誰かから貰ったものなの?」

ツナが宿題をしてる手を止め聞いてきた

『お母さんから貰ったの。お母さんが大切な人から貰った大切なものなんだってだからあたしも大切なんだよね』


「へぇ」

ツナは小さく笑った


「ガハハハハ!!これはランボさんのだもんねー!!」

ランボがフゥ太から指輪を奪った


「だめだよランボ!!それは空姉のだよ!!」


フゥ太はそう言うがランボは聞かない。

フゥ太はランボから取り返そうとしてランボを追い掛ける


いつもならあげたいんだけど…
これだけはだめなんだよなあ…


『ランボ…それ大切にあつか「ぐぴゃっ!!」……あ』


「「あーーーーーー!!」」

ランボがフゥ太から逃げていたが転んで
その拍子に指輪を落としランボに足がひっかかったフゥ太が転び
フゥ太の全体重が指輪にかかり壊れてしまった


「こら!!ランボ!!空ちゃんごめん!!!!」


「こんのアホ牛が!!」


『ランボ、フゥ太』

あたしは黙って指輪を拾った


「空姉ごめんな『大丈夫?』…え?」


『怪我ない?』


「空姉…」


フゥ太は涙目だった

『えっ!?フゥ太どっか怪我した!?』


「空姉ごめんなさい!!指輪…壊しちゃった」


「空ちゃんほんとごめん!!」


ツナまで謝ってきた


『いいよ、わざとじゃないんだし。ランボとフゥ太が怪我しなかったんだから』


「ランボ!!お前も謝れよ!!」


「ラ、ランボさん悪くないもん」


「¢£%#&♀¥!!」


ツナとイーピンがランボに怒るがランボはまったく聞かない


大丈夫
二人が怪我なかったんだし


「空ちゃん?」


京子が心配そうに顔を覗き込んできた


『んー大丈夫大丈夫。』


「ち、ちゃんと弁償するから!!ごめん!!本当にごめん!!」


ツナがめっちゃ頭を下げてる


『弁償しなくてもいいよ、これじゃなきゃ意味ないし…本当に大丈夫だから!!ね?』


でも…、とツナは泣きそうな顔で言う


パンッ


あたしは手を叩いて


『この話は終わり!!ほら!!宿題の続きするぞー!!』


みんな宿題を終わらせ各自家に帰った

宿題してる間も微妙な空気が流れた



家に着いて机に壊れた指輪を置いた


『大丈夫って言ったけどなあ…』


壊れた指輪をじっとみた


『ごめん…お母さん、おじいちゃん』



大切なものが壊れてしまった

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あきゅろす。
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