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明日の空
標的119 矛盾

結局了平と凪が来た
凪はグロキシニアとの闘いよりも栄養失調の方がひどい

『…凪』

凪が寝ているベッドの横のイスに座った
顔色が悪い
今はスーッと規則正しい寝息をして寝てるけど…

「空」

ビアンキがあたしの肩をポンッと叩いた

「あなたも顔色悪いわ。もう少し寝てなさい」

『でも…』

「寝てなさい」

ビアンキの有無を言わさず気迫で空は怯えながらも素直に頷いた

廊下に出ると了平に会った

『あ、了平』

「うおぉぉお苗字!!!」

『うはぁっ!!!』

了平に突進に等しいぐらいに抱き着かれた

「極限に会いたかったぞー!!!苗字!!!」

『…』

空は動かない

その様子に気づいた了平は空を話顔を覗き込んだ

『……きゅう』

「苗字!!!極限に大丈夫かぁあ!!!???」

空は失神していた





+++++


『…ん』
「よぉ起きたか」

『…武?』

空はゆっくりと身体を起こす
気がつくとベッドに寝ていた

「身体は大丈夫か?」

『うん…』

あれなんであたしここにいるんだろ
記憶が曖昧だ

山本はそっか、と言って微笑みながら空の頭を優しく撫でた

「もしこの世界に留まる場合は……お前から…元の世界での記憶を消す」

「もし元の世界に戻る選択をしたなら…この世界での全ての記憶を消す」


『…』

ふと神が言ったことを思い出した

『ねぇ…武』

「ん?なんだ?」

『もし…あたしがいなくなったら……どうする?』

山本の顔が曇った

『あっいや…その…今の忘れて!!』

「空」

『ごめ…』

空の目からボロボロと涙がこぼれる

「どうしたんだよ…」

山本は空の頬に手をやった

『違っ…違うの…これは汗で…』

「目から出る汗を涙って言うのな」

『ゔ…』

それでもなお空の目から涙がこぼれる
山本は黙って空を抱きしめ背中をさすった

『……っ……くっ……』

なんでよ

なんでこんな思いしなきゃいけないの

どちらの記憶をなくすのも嫌だよ

ここに来れたこと
みんなに会えたことは

すごくすごく感謝している

でもなんであたしなんだろう

どうしてあたしをここに連れていたんだろう

こんな思いするくらいなら…

『たけ……っ……たけ…し……っ…』

「空…」

離れたくない

武と離れたくない

もう大切な人と離れたくない







でも…


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