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放課後の保健室






「1、2、3、4〜」










野球部の練習する声が夜独特
の虫の鳴く声とともに聞こえ
てくる…。



「…あっ!!」





深い眠りから覚める…。
辺りを見回すともう既に暗い
窓からは野球部のナイターの
明かり。時計に目をやると、
針指している時間は…



「…9…時!?」





夜の9時を指していた…。
無造作に置かれたかばんの
中なからケータイを取り出
すと、着信、メール共に半
端じゃない数になっていた





「…やっばいよ〜…」



ベットに腰かけて着信とメー
ルの相手が誰なのかを調べる
ふとなぜ自分がこんな時間ま
で保健室のベットで寝ていた
のか疑問が浮上してきた…。






「…確か〜…朝学校来て〜…」





結局あたしの記憶によると
朝教室に行かずにそのまま
保健室のベットに横になっ
て今に至るらしい…。
一日の半分以上を保健室の
ベットの上で過ごしたんだ
と思ったらなんだか自分が
笑えてくる。




「…野球部ってこんな時間までやってんだ〜……あれ?」



窓からの見える、野球部の
練習風景を見ながらあいつ
がいないことに気が付いた




「キャプテンのくせにサボりかよ馬鹿」







ガラッ―――






そんなことを思ってると、
急に保健室のドアが開いた
急に怖くなったあたしは、
恐る恐るベットルームと保
健室に繋がるドアを開けた






「いって…」





そこにはユニフォームから
制服に着替えて腕に絆創膏
を貼っている雄輔の姿…。





「…あいつほんとにサボり?」


心の中でそんなことを思って
もう一度保健室を見ると、雄
輔がこっちに向かって来る。
あたしは急いで鞄と一緒に、
ベットに潜り込んだ。














「……え!?」



雄輔の驚いた声と同時に、
一瞬にして布団が捲られた










「…名前じゃん!!何してんのー!?」

「………」






起きていたのを悟られない
ようにあたしは寝たふりを
して、知らんぷりをした。






「名前起きろー…起きねぇとちゅーすっぞ」

「…部活さぼんな馬鹿」

「なんだ起きてんじゃん」







雄輔は、あたしの寝ている
ベットに腰かけて無理やり
あたしを起こして軽く頬に
キスをした。





「…お前もしかして朝から今までずっと寝てた?」

「…うん」

「寝すぎでしょ(笑)」

「自分でもびっくり」

「まあ〜…寝る子わ育つって言うし?(笑)」







雄輔はベットに横になって
野球部の練習を眺めている

なんか雄輔と二人っきりは
久しぶりだなあ…。最近野
球の練習で忙しくて休みも
なくてなかなか二人っきり
では会えなかったから。










「…なんか久しぶりだね」



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あきゅろす。
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