脇道寄り道回り道
■歪んだファンタジー5題[帝王院]
1.賭博好きのお姫さま



「最近チェスにハマっててさー」
「へぇ、そぅなんだぁ。チェスって難しそぅだよねぇ」
「うちの親父もやってんだけど、俺ボードゲームよりロープレ派じゃん?だからあんま興味なかったんだけど」
「ぇ、じゃあ何で?」
「RPGの中でチェスで勝たなきゃ先に進まないシーンがあってさー、で、勝つ為にルール覚えてたら陥落したわけ」
「ぁはは、太陽君らしぃなぁ」
「だろ、俺も大概単純な男だよ」
「チェスって言えばぁ、中央委員会の皆様がお好きだって噂があるよぅ」
「大会とかで優勝しちゃう奴らばっかだろ、次元が違う」
「チェスだぁ?馬鹿山田、俺に勝ったら抹茶ケーキ焼いてやるぜ。どうだ」
「え、イチ先輩の癖にチェス知ってんですか?何それ似合わない」
「殴るぞテメー…チェックメイト」
「げ!イチ先輩の癖に強い!」
「弱ぇな馬鹿山田、出直してこい」



「太陽君がもう一週間も部屋から出て来ないんだよぅ、俊君…」
「メールしても無視、電話したら着信拒否されてました。…僕は涙の海で溺死しそうにょ!タイヨータイヨータイヨータイヨータイヨータイヨータイヨータイヨータイヨータイヨータイヨータイヨータイヨー!!!」
「アハハ…イチ先輩はどこだー」
「太陽君!」
「どうしちゃったにょそのお顔は!すっかりやつれて益々サディスティックに!ハァハァ………縛られたいにょ」
「アハハ、叶二葉と高坂日向は最早敵に非ず!出て来い嵯峨崎佑壱!ポーンだけでチェックメイトしてやるわ!」
「あっはーん」
「あの二人に勝ったの?!」
「ふ、光王子からは土地、陰険眼鏡からは全財産巻き上げてくれたわ…くっくっくっ、俊、ちょっと太ったろ。縄が足りない」
「イチーっ、逃げなさーい!はふんっ、あはんっ、ぷはーんにょーん」
「きゃっ、俊君ーっ!!!」
「ハァハァ、このボンレス眼鏡めをもっときつく切なく激しくっ、縛って下さいませご主人公様ァアアア!!!」





2.元騎士様、求職中


「しゅーちゃん、そんな所でどーしたの?」
「…」
「え?リストラされた?あらん、今頃リストラするなんて血も涙もない社長ねィ。しゅーちゃんが役立たずなんて今に始まった事じゃないのに!」
「ぐす」
「え?お尻にゴーヤ突き刺されそうになってハゲって言った?あらん、それは仕方ないわね。寧ろ自ら刺されに行かなきゃ、そこは!ハァハァ」
「めそ」
「ささ、アルバイト探しに行きましょ。家庭教師なんかイイんじゃない?…そして始まる年下未成年攻めとのアバンチュール!ハァハァ、グースカピー」
「シエ、寝言が生々し過ぎるぞ。ぐすっ」





3.王子様はノイローゼ



「やんのかコラァ!淫乱ハゲ!」


「え?また嵯峨崎君にハゲと言われたんですか?」
「はい、閣下は甚く傷付かれ思い悩んだ挙げ句遂にア●ランスのCMを!」
「血走った目で凝視なされておりました…!」
「おや、確かに高坂君は猫っ毛の薄毛ですが…例え将来光輝くおハゲダンディーになったとしても、私の愛は不変ですとも!」
「白百合様!」
「ああっ、我らが女神!」
「そう、私のこの美しさが不変である様に!」


「時に高坂、リ●ブ21も捨て難いと思わんか」
「何の話だ」
「難儀な。良かろう、我が知識を以て究極の育毛剤を生み出してくれる」
「育毛剤?だから何の話だ帝王院」
「荒稼ぎした後は左席運営費…ふ、新刊印刷費に注ぎ込んでくれよう。一万部印刷するか」
「俺様の話を聞け」
「時に高坂、次回の新刊はイチピナで攻めてみようと思うのだが良かろうか?」
「だから何の話だ!」
「案ずるな、俊はピナイチで攻め抜くつもりと言う。年の差と身長差が重要らしいぞ」
「誰か胃薬持って来い。ああ、ついでに此処の粗大ゴミ捨てとけ。仕事させてからで良い」





4.民間資格の魔法使い



「ふふふ…くぇーっくぇくぇ!遂に完成したにょ!」
「苦節二週間、漸く修羅の道を過ぎたか」
「新刊ピナタ本!ダブル副会長の俺様VS鬼畜っ、遂に刷り上がって来たのょー!!!」
「ノベルティは仁義無きピナフー小冊子か。ふ、生徒会を極めつつあるな」
「はァ。生徒会長攻め不足にょ」
「む」
「イケメンでお金持ちで俺様で溺愛攻めな生徒会長が、平凡で平凡で平凡な受けにコックローチする本が書きたいにょ。読み漁りたいなりん…」
「………俺の力不足だ。誠に申し訳ない」
「仕方ないにょ。カイちゃんには荷が重すぎですもの」
「…」
「はァ。不良で総長でイケメンでお金持ちで溺愛攻めな生徒会長が何処かに居ないかしら…めそり」
「不良でイケメンで富豪…ふむ」
「うん?総長で…溺愛…?」
「俊、もしや今俺達が思い浮かべし人物は一致しているのではあるまいか?」
「む。流石俺の可愛いカイ、賢い子は大好きだぞ」
「つまり権力不足と言うだけだ」
「つまり出世させればイイ」


「「魔法を掛けよう」」





「は?イチ先輩がカルマの総長になった?!」
「違う、総長がまた失踪したから総長代理ってだけ(´;ω;`)」
「は?イチ先輩が中央委員会長に就任っ?!」
「違いますよ、陛下がまた失踪したので会長代理です」



「今回のJunkpot Driveの新刊凄かったねー!」
「萌えたぁ!イチ会長超格好良いし!」
「平凡なメニョちゃんが超可愛いし!」
「って言うかあの二人いつ見ても格好良いよねー!腐男子には勿体ないっ!」





5.召使いは時給制



「俊、肩揉み揉みするか」
「良きに計らうにょ」
「俊、耳掃除は如何だ」
「はふん」
「俊、コンソメポテチがあるぞ」
「ポリポリポリポリポリポリ…」
「俊、黒炭酸は好きか」
「ごっきゅごっきゅごっきゅ」
「足も凝っているな」
「はふん、あっあっ」
「ふくらはぎがぷにぷにだな」
「あっ、あぁん、ぷはーんにょーん」
「大腿部がかっちかちだな」
「あっはーん、ドロリッチ」

至れり尽くせり一時間後、幸せでとろけたオタクへ艶美に微笑み掛けた男は、


「さて、俊。これで今宵も励めるだろう?」
「ふぇ?」
「何、腰が痛もうが尻が痛もうがこの俺が誠心誠意揉み解してやるから案ずる必要はない。悩まず足を開け」
「きゃーっ!いつもより開いてますわよー!」
「ふむ、些か揉み過ぎたか。バレリーナの様だぞ、俊」
「あっあっあっ、18禁突入ー!!!」



配布元:確かに恋だった

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あきゅろす。
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