脇道寄り道回り道
■痛い9のお題[帝王院]
■痛い9のお題
縛って/2目を塞いで/3拒絶/4愛の代わりに/5記憶の抜け殻/6無意味な望み/7鏡に映った/8全てを閉ざした世界/9切れた鎖



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縛って
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「さっきの女、誰?!」
「テメーにゃ関係ねぇだろ」
「何で浮気するのよ、佑壱!」
「ぎゃあぎゃあ煩ぇな、女のヒスはみっともねぇ。─────失せろ」



「あー、またユウさんが女泣かせたー」
「お前もさっきビンタされてたろーが(*´∇`) またヤリ逃げっしょ(@_@)」
「ハヤトの場合は男も含まれてるぜ」
「カナメちゃんだって、昨日女の子から振られたじゃんー」
「あ、違う違う。あの女は先週ユウさんが振って、カナメに泣き付いてたの(//∀//)」
「先週は満月だったぜ」
「昨日は覚えてなかったんだろーねえ、カナメちゃん」


「ったく、最近の女は何を考えているのか!」
「要、引っ掻き傷は治りが遅いらしいからな、絆創膏貼っとけ」
「ユウさん、総長に寄り付く女を全員相手していたら体が保ちませんよ。俺だって月に3人程度が限界です」
「二重人格利用して忘れた振りなんざすっからだろ」
「下手に好かれても迷惑ですから」
「束縛したがるからなぁ、女共は…」



「俺のあんま可愛いとは言えないワンコ達ィ、俺と遊びたいかー」

「「「「「っス!」」」」」


「SMに目覚めたから、誰かお父さんを縛って下さいな」

「そ、総長、縛れと仰いましても…」
「愛羅武総長Σ( ̄□ ̄;)」
「SMかよ」
「あは、ボスー」
「そーちょー、」

「「「「どうせなら縛って欲しいっス!」」」」



「役立たず共がァ!」


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目を塞いで
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貴方を愛しているの。
誰よりも愛しているの。
だから、


「抱いて欲しいのー、だってえ」
「きゃー!」
「最近の少女漫画も、あからさまな描写が増えましたね」
「うひょ、エロっ(//∀//)」
「過激だぜ」


「おい、総長が顔隠して倉庫に閉じ籠もってんじゃねぇか。何したんだテメーら」
「知らなーい、ユウさんが何かしたんじゃないのお?」



「ハァハァ、少女漫画は一人でこっそり読まなきゃ恥ずかしいにょ!」

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拒絶
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「近寄るな」



きつい眼差しで彼は言った。

「今度俺の前にその面を見せたら、許さねェ」


忌々しいものを見る目で、全てを拒絶する表情で。



「歯を磨いてくる」
「だからのり塩ポテチには気を付けろって言ったでしょ、カイちゃん!」

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愛の代わりに
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愛されたいと望みながら、祈る様に寄り添う事だけ願う。
愛されなくても良い、傍に居たいだけなんて、本心じゃない。誰よりも愛されたいと願いながら、望みはいつも祈る様に手を伸ばす事。


笑っていて欲しい。
他の誰かのものでしかなくても、僕は君を愛しているよ。



「ひっく、ぐすっ、浮気ものの健気受けは泣かせるにょ!」
「総長、黄粉ランタンっス。泣き止んで下さい」
「ひっく、ぐすっ、もきゅもきゅ、どうして浮気なんかするにょ!浮気攻めのあんぽんたんっ、萌えぇえええ!!!!!」
「ファースト、お前の浮気癖を密告されたくなければ愛の代わりにランタンパイのお代わりをくれ」

「シネばイイ」

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記憶の抜け殻
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「君は誰?」



いつもと同じ朝。
いつもと同じ貴方はそう首を傾げた。
昨日までは何かと悪態を吐きながら、それでも愛していると言えば頬を染めて抱き付いてきた愛しい貴方。

「初めまして、山田太陽です」

どうしてそんな、他人に見せる作り物の笑顔をするの。どうしてそんな、他の誰かへ向ける表情で手を伸ばしてくるの。
握手、なんて。柄にもない癖に。


「ハァハァハァハァハァハァ、二葉先生、セーラー服のコス脱ぐの忘れてるにょハァハァ」
「あ」
「うわっ、アンタ何っつー格好してんだよ!普通に美少女だと思ったやないか〜い」
「きゃ!タイヨーってば大胆!二葉先生にお願いして良かったにょ!タイヨーの下着三枚で」
「ええ、貴方から告白させるつもりだったのを忘れてました」



「誰か〜、そこの眼鏡二匹を懲罰室に連れてってー、副会長命令ー」

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無意味な望み
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「好きって言って欲しいにょ」
「無駄だ」

こんなに愛しているのに。
何度抱き締めてくれても、貴方は決して口にしてはくれない。

「僕は大好きなのに…」
「俺は違う」

こんなに愛しているのに。
今すぐ心臓を突き破り心を差し出せるならそうするのに。



貴方はいつも、別世界の住人。



「ノーマルエンディングには飽きた」
「ベストエンディングはさっきのコマンドで【アキトと遊園地に行く】にしなきゃ、めーにょ!そして告白するにょ!」
「【アキトと映画館に行く】」
「カイちゃんの判らず屋!」


「ブー。
  さっきのコマンドで【家に帰る】を選ばなかったら、ノーマルエンディングだからねー」

「「………」」

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鏡に映った
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笑った顔。
困った顔。
真剣な顔。
横から見た顔。
怒った顔。


万歳。
スリーピース。
中指立ててあっかんべー。
ムキムキ、ボディービル。


お、結構筋肉あるんじゃね?


なんつて。アイーン。



「俊、鏡の前で何をしている?」
「きゃー!」


風呂上がりのポージングは誰も居ない所でしましょう。

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全てを閉ざした世界
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「近付かないで」
「もう、疲れたよ」
「俺を解放して欲しい…」

大好きな親友は今にも消えてしまいそうな表情で、静かに呟いた。
すぐにでも駆け寄って抱き締めてあげたかったのに、時間はそれを許してくれない。

「俊。もう、俺は疲れたよ…」

聞きたくなかった。
今すぐ駆け寄って抱き締めてあげたかった。大好きな親友が、今にも目を閉じようとしている。

「お休み、俊…」

まだしたい事が沢山あるんだ。
まだ語り合いたい事が沢山あるんだ。
一人にしないで。
ずっと傍に居て。
笑っていて。
せめて、名前を呼んで。




修羅場が明けるまで。


「タイヨー!まだ寝ちゃめーにょ!桜餅っ、そこベタ!」
「はぁい、…ぁ、トーンが切れちゃったぁ」
「おい隼人、251番と124番のグラデトーン買ってこい!購買にある」
「ユウさーん、Gペンと丸ペンってどう違うんスか(゚_゚)(。_。)」
「総長っ、印刷所が開くまでもう二時間を切りました!バイク便が一時間後に来ますよ!」

「きゃ、きゃー!!!まだ写植も口絵も終わってないにょ!」
「俊、製図インクが切れた」
「ボスー、251番売り切れてたよお。あとさっき間違えて原稿用紙にお茶零しちゃったあ。ごめんねえ」
「タイヨー、起きてちょーだい!!!」



「うーん、耳休日やないか〜い…」

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切れた鎖
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「あ」

ドックタグ。
貰った大切な黒い札が落ちた。


プラチナみたいな鎖が切れて、ひらひら、真っ直ぐ落ちていく。


「や、だ」

待って、待って、待って、待って、待って、待って、待って、置いてかないで。

「やだァ!」

大切な黒いドックタグ。
切れた鎖、止まらない涙、誰か、誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か、助けて。


元に戻して、大切な愛の証。



「ほらー、付けたまま寝るから髪に絡み付くんだよ俊」
「ふぇ、髪の毛抜けちゃったなりん。ハゲちゃったにょ!」
「大丈夫大丈夫、カイ君が馬鹿力で鎖切ってくれたから」
「ふぇん、オタク唯一のアクセサリーが!」
「ぁはは、カイさんがもぅ直してくれたょー」

「俺に不可能はない」

「「「流石、神帝!」」」
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何だこれ。
お題の意味がないやかいかーいorz

提供: OSARUNOUFO

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あきゅろす。
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