脇道寄り道回り道
とあるジジイの1日[帝王院]
これはとあるオッサンの1日を記したものである。




・出演・
  遠野秀隆(庶民)
  トーノ=ヒデタカ
  しがない高卒リーマン。愛称:しゅーちゃん。

  山田大空(富豪)
  ヤマダ=ヒロキ
  食品業界新鋭の実業家。愛称:オオゾラ

  嵯峨崎会長(超富豪)
  サガサキ=レイイチ
  飛行機好きな財閥会長。愛称:レイ

  高坂向日葵(極道)
  コウサカ=ヒマワリ
  ただの極道。愛称:ひま

  帝王院帝都(神)
  キング=ノアール=グレアム
  ただの神様。愛称:みーちゃん



AM8時


「…ん、朝か…」

目覚まし時計のけたたましい呼び鈴で漸く目を醒ました男は、リビングから漂ってくる甘い薫りと賑やかな声で体を起こした。

「シエがぷよぷよで遊んでる声がする。今日も可愛いな」

窓辺を一瞥しパジャマを脱ぎながら一言、



「今日も爽やかに一時間遅刻だ」



同時刻



「社長、9時からの会議の件ですが」
「それは遠野課長に一任した筈だけどねー」
「課長はまだ出社していません」
「あー、うん、そっか。…出社したら逃がさず吊して来てくれるかい?」
「畏まりました」
「ははは、尻にぶっといキューリ突き刺してやろっかなー」




AM9時



「ふわぁー、っと…欠伸が止まらないわ〜。コバック、今日の予定は?」
「小林です。本日は5分後に企業サミットに出席、二時間後からパシフィック関連の協議、協議中に以後のスケジュールをお知らせ致します。社長の物覚えの悪さには定評がございますから」
「ヤッシー、貴方…アタシを軽く馬鹿にしてない?」
「小林です。」
「…」
「…」
「お昼ご飯は…海老天にしてね、秘書コバヤシ」
「畏まりました、嵯峨崎社長」



AM9時15分



「おぅおぅ、テメェど偉い美人じゃねぇか。俺のモンになるか?」
「ひま。また、浮気か」
「違う、門前に捨て猫が居たんだ。見ろ、この茶っこい毛並みを!うちの日向そっくりでめんこいだろ!」
「確かに、可愛いな。然し子猫は何を食すのだ?煮干しか?今朝出汁を取った残りで良いのか?」
「煮干しなんか食わせちゃ可哀想だろ、ハニー。子猫と言えばミルクだ、ミルク。何なら俺のミルクを、ぐふっ!」
「ひま、下ネタは止せ。折角の良い男が台無しだ」
「す、すんません」
「ミルク、か。…まだ出るだろうか?」


「…姐さん、流石に授乳は無理でっせ」
「二人共、思考回路そっくりですぁ」







昼。



「萌〜萌は何処にあるかしら〜♪眼鏡弾けるラブストーリ〜、探し求めてるにょ〜♪」
「そうか」
「あっ、みーちゃんちわにちわ!今日も不良攻めてますか?!それともホスト攻め?!」
「ブロンドは生まれ付きだ。この顔も生まれ付きだが、攻めてはいない」
「じゃ、受けてるのかしら?!まさかのデカ美青年受け!ハァハァ」
「青年と言う程、若くもない」
「みーちゃん、ジジ臭い事言ってるとカイちゃんになっちゃうなり。もっと若さを全面に出すにょ!」
「だから、私は、」
「はっ、萌の匂いがしますっ!光の速さを超えられる気がするーっ!ぷはーんにょーんっ」


「………」

「父上、ご機嫌よう」
「カイルーク、一つ尋ねるが」
「如何なさいましたか」






「萌えとは何だ。」









夕方







「あらん?しゅーちゃん、お尻どうしたの?若い部下に掘られたの?!きゃ!」
「シエ、暫くキューリは食べられないかも知れない…」

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