帝王院高等学校
この放送はアロハの提供でお送りします
夢の中からちわにちわ、萌ゆるニュースキャスター遠野俊がお送りします、日刊帝王院のお時間がやって参りましたっ☆!☆!☆!


あ、オタクの癖に調子乗りました。反省しますにょ。めそり。


オタクまさかの爆睡で平凡受け主人公のピンチを見逃しております遠野俊です。
主人公の
ファーストキス強奪事件も知らない遠野俊です。悲しいです。

今日は何だか忙し過ぎる1日だったので、ネンネしながらブログ更新する事にしますなりん。
オタクの妄想力は夢の中でも健在です!腐男子ヒーハー☆!☆!☆!


4月6日AM7時、校門をクネクネダンスで潜った腐男子は平凡受け主人公こと山田太陽君に出会いました。要チェックにょ!テストに出ますょ!
一目惚れって本当にあるんですねっ!ハァハァが止まりませんにょ!


じゅるり。


直後、第一の萌の使者、眼鏡貴族風味ドS腹黒な風紀委員長、セクシーマスター叶二葉先生と運命の出会い!ここもテストに出ますっ!

僕は震え上がりました!
二葉先生は不良さんなんです!いつもは青いお面を付けてるので最初気付きませんでしたっ。でもオタクの嗅覚を舐めて貰っては困ります!


ヒーハー!


いきなり平凡受けが絡まれてます!僕の首が絞まってます!苦しかったです!ハァハァと涎が止まりませんでした!


然しそこはそれ。
入学式もまだだと言うのに、二人のエッチィシーンを激写する事はやはり出来ませんでしたなりん。はふん、残念です。ちゅーくらいしたら良かったのに。
あ、オタクが邪魔で照れちゃったのかも知れませんにょ!



照・れ・屋さん☆



さて、サクサク初めての寮へ挑んだ平凡受け主人公と地味な僕は、第二の萌の使者、俺様不良(ズボンのポケットに手を入れたら怒る)ワンコ攻め嵯峨崎佑壱と運命の出会いを果たしたのでございます!



逃げたくなりました。

イチのワンコ攻めさは僕が自信を持って証明しますが、うっかり見付かったオタクが主人公を差し置いて出しゃばった所為で、二人のキスシーンはまたもや次回繰り越し。
王道シーン、主人公が頭の中の台詞をうっかり喋っちゃった!も録画し逃した僕は生きる生ゴミです。腐った蜜柑です。


さて、二人のイチャイチャっぷりにハァハァした僕は一心不乱に走って、第三の萌の使者、俺様王子副会長攻め高坂ピナタにぱちんされてしまいました。ハァハァ。

然し残念です。

副会長は腹黒王子の役職であるべきだと思いませんか?どうですか世界の腐女子腐男子の皆さん、何故俺様会長を差し置いて俺様副会長なんですか。こんな裏切りありません!僕は眼鏡を涙で濡らしました!
何で此処に主人公が居ないのかと!(泣)


絶望した僕はホスト教師にも萌え切れず…いえ!ホスト教師に出会ったのです!
ですがアイツは駄目なホストでした。ダサジャージで関西弁でした。何ですかこの見事なアンチ王道さは。これは僕への試練でしょうか。アイツは萌の使者には認定しません。

そして今度こそ第四の萌の使者、微腹黒系不良ワンコ攻め(健気ワンコ受け)錦鯉…ごほんごほん、錦織要きゅんに出会いました。

帝王院には不良しか居ないのでしょうか。
逃げたくなりました。



でも漲る妄想力は空前絶後!


天地無用!
大山鳴動!
ぷはーんにょーん!


これくらいでオタクは挫けません!
錦鯉きゅんは後程平凡受け主人公の枕元に裸で忍び込ませようと眼鏡に誓い、一路おやつタイムへ。
お昼ごパンを買いに行った健気ワンコ受けを見送り、チワワから囲まれたオタクです。



神様有難うございますァアアア!


生体験!
チワワに囲まれたTHEオタク!眼鏡が割れるかと!ハァハァ、あの時の事は記憶喪失になっても忘れられないと思いますっ!


そして第五の萌の使者、どえりゃー大きい美人さん白髪攻め…いや銀髪攻め、ブラックケーカイオーインなカイちゃん発掘。テストには出ません。遠野先生は横文字を見ると眼鏡が曇ります。

然し何と言う掘り出し物なんでしょう!近年稀に見るフェロモンでございますァアアア!イケメンの馬鹿野郎っ、萌えぇえええ!
ハァハァハァハァハァハァ、うっかり心臓が止まるかと思いました!だってチワワ達も真っ赤っ赤だったんですにょ!

僕っ、今まで正直、イチが一番美形なんじゃないかと思っていたのでございますっ!
ピナタは可愛いにゃんこだったからですっ!



舐めてました!
本当に世界って広いですね!

オタク、男子校を舐めてました!
腐った蜜柑です。


それからも俺様王様会長攻めを激写したり、二葉先生握手会で眼鏡を割ったり、怒涛の勢いで入学式が終わりました。

初めての部活動も楽しかったです。
キラキラな食堂で食べたご飯も大変美味しゅうございました。


最後の方は眠すぎて良く覚えてませんが、新刊は鬼畜攻め平凡受けの無理矢理なのに感じちゃう☆漫画にしたいと思いますっ!


今日のおさらい
  主人公 山田太陽
  エロメガニスト 二葉先生
  俺様副会長 ピナタ
  ワンコ イチ
  イケメン カイちゃん


明日もハァハァ新しい萌が見付かりますよーに!ハァハァ


眼鏡は15本持って行きますっ☆



次回予告:帝王院で繰り広げられる二代組織に迫る眼鏡捜査24時!
今イチオシのモテキングに迫りたいと思います!ぷはーんにょーん!


この放送は夢の中でもバリバリ童貞族、萌アナリスト遠野俊の提供でお送りしました!




アローハ☆!☆!☆!







Webmaster しゅんしゅん


















アロハシャツにハーフパンツ、いつもの夜着に着替えた男は日本庭園を望める縁側で胡坐を掻き、静かな夜の庭を見渡しながら首に巻いたタオルで濡れた髪を適当に拭う。

「お待たせしやした、親父」
「おう、今上がった所だ。支度しろ」

若い舎弟が運んできたビールケースへ向き直り、タオルを放って差し出された瓶に口を付けた。

「ごきゅっごきゅっごきゅ、ぷは!」
「良い呑みっぷりですぁ、親父」
「かーっ、風呂上がりの一杯はコレに限んな!」

胡坐姿で腰に手を当て飲み干した彼は、舎弟の賛辞を受け得意気に鼻を鳴らし、空き瓶をビールケースに放り込んで次の瓶へ手を掛ける。

「会長、…コーヒー牛乳の呑み過ぎは体に毒ですぜ」

傍で控えていた片腕の極道が腕を組んだ。

「代頭ぃ、親父は酒が呑めないんですぜぇ?毎日コーヒー牛乳の一本や1ダースくらい、良いんじゃねぇんすかねぇ」
「コーヒー牛乳に枝豆じゃ晩酌にならんだろうが。姐さんはどうした?」
「まだ風呂ですぁ。親父はカラスの仰水ですが、姐さんは日本酒に燗付けて、ゆっくりお寛ぎでっせ」

見た目完全極道な旦那はコーヒー牛乳、見た目完全美青年な外国の嫁は熱燗。
組員達は見慣れた光景に揃って遠い目をした。跡取り息子は中学生で日本酒一升軽々飲み干したと言うのに、それを見て夫婦の反応と言えば、

『それでこそヴィーゼンバーグの血を継ぐ男だ。他人の前で泥酔した不様な姿を見せず、社交界を渡り歩く必要がある』
『ひっ、ひなちゃん!いつからお酒なんて飲む様になったんだ?!いけませんっ、そんな悪い子は幾らお父さんでも許しませんよ!』

狼狽えた父親が息子に軽く平手打ちし、虐待かと詰め寄った嫁に竹刀でボコボコにされていた。冷めた目で両親を眺める金髪息子はその可愛らしい顔に似合わず、幾ら呑んでも酔わないザルらしい。
父はビールを舐めただけで倒れるのに。


「にゃうん」
「なーお」
「うにゃん」

とてとてと三匹の毛並みが良い猫達が、開いていた板の間の障子から歩いてきた。行儀良く一列に並んで隅を歩く様子に、道を空けてやった男らを見上げた三匹は挨拶代わりの尻尾をふりふり。
組員の顔が弛む。

「おう、ジュリアンヌ、カトリアンヌ、ラインバッハ。こっちこい」

三本目のコーヒー牛乳に手を伸ばした飼い主の膝に擦り寄り、ゴロゴロと喉を鳴らしている。

「テメェらも風呂に入ったのか?」
「「「にゃー」」」

猫で言う風呂はトリミングの事だ。鷹揚に頷いた男は三匹を膝に乗せ、素早く組員に目を走らせる。

「にゃんこまっしぐらのサーモン味持って来い」

背筋を正した男達は肩を落とした。本当に、家の中以外では男が惚れる極道なのだ。本当に、家族と猫を溺愛している姿を見なかったら、男の中の漢なのだ。

「お父さんがなぁ、新商品買って来てやったんだぞ?嬉しいか?嬉しいか、そうかそうか」
「親父…!それでも俺ぁ、アンタに惚れてるぜ!」

ゴロゴロ喉を鳴らす三匹に鼻の下を伸ばした組長に、補佐役の男が男泣きだ。他の組員は全く動じていない。

「あん?ピヨリーヌはどうした。まだ飯食ってんのか?」
「みゃー」
「なー」
「ごろにゃん!」

お淑やかなジュリアンヌが困った様に鳴き、ぼんやりしたラインバッハが怠惰に鳴き、お転婆カトリアンヌが元気に鳴いた。
一番若いピヨリーヌは2年程前に日向が拾って来た黄色い毛並みの捨て猫だが、円らな瞳の我儘姫だ。雄だが。

「何だと?昼間から冒険に行ってやがるだと?!」

三匹のペルシャ猫を抱いたまま、しゅばっと立ち上がった男の足元に空き瓶が転がった。

「ラインバッハ、何で止めなかったんだ!兄ちゃんだろ!」
「なー、なぅん」
「ジュリアンヌ、探すのを手伝ってくれ!もし屋敷の外に出てたら大変だ!」
「みゃーん」
「カトリアンヌはアレクを呼んで来い!」
「うにゃん」

カリスマトリマーの手で日々トリートメントされている三匹の姉弟は可愛らしく鳴き、美形だが一般離れした威圧感を漂わせている高坂の眉間に皺が刻まれる。

「親父ぃ、また猫ちゃんと会話してんすかぁ?」
「組長の愛猫精神を舐めるな。猫が好き過ぎて、最近は1日に10万アクセスを誇るブログサイトピナパパ日記に開設した愛猫アルバムが大ヒットしてんだ」
「確かにジュリアンヌちゃんは可愛いですけどなぁ、ラインバッハちゃんは運動不足で豚みてぇだし…」
「カトリアンヌちゃんは新しいスーツや着物で爪研ぐし…あっ、親父ぃ!」

呟く組員を余所にアロハシャツが庭園へ飛び出して行った。

「待ってろピヨリーヌ!パパが迎えに行ってやるからなぁあああ!」
「組長っ、お一人では危険ですぁ!」
「待って下せぇ親父ぃ!」
「お供させて下さい、会長っ」

慌てて追い掛ける組員らを笑いながら眺めていた茶の間の男が、湯呑みを片手に着物の襟を正す。


「賑やかだねぇ、とても日本の任侠を纏め上げる光華会総本部には見えない」
「兄さん、いつまでこんな所で油売るつもり?報告は済んだんだ、早く帰ろう」

広い座卓にも関わらず、男の隣にぴったり引っ付いて座る長い髪の美男子は不満げだ。出された茶菓子にも湯呑みにも手を伸ばさぬまま、腕を組んで周囲を睨め付けている。

「…どうやら招かれざる客人が見えたらしい」
「高坂狙いの鉄砲玉だ。どうする、冬ちゃん?」
「そうだね、」

慌ただしい外の闇間から男達の怒号が響き渡った。渇いた銃声音、怒り狂った叫び声、足音。


「これで死ぬ様なら喜ばしいんじゃないかな。私は可愛い二葉を返して欲しいだけだからね、文仁」
「じゃ、助けない。俺は別に二葉なんか居なくても困らないけどな」
「二葉には可哀想な思いばかりさせている。もうこれ以上、手放すのは忍びないとは思わないか」

柔らかく微笑んだ兄を眺め、胸元に忍ばせた銀のナイフを掴んだ彼は躊躇わずその刄を障子に投げ付けた。
障子紙を突き破った向こう側で呻く声、倒れる音、近付いてくる足音。

「ただの人間じゃない奴も混じってる」
「お前だけで充分だろう?」
「あー、はいはい。とっとと吊し上げて来るから、帰る準備しといてね冬ちゃん」
「頼むよ、優しい文仁」

面倒臭そうに立ち上がった男が畳を蹴り、ふわりと天井を突き破る。

「私は不向きだから、困ったね」

一人きりの茶の間で温くなった湯呑みを啜った男は首を傾げ、笑った。




「家族以外なら簡単に殺してしまうからねぇ」

←いやん(*)(#)ばかん→
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あきゅろす。
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