無色ノ噺
桜道に月明かり2*
※桜道に月明かりの続編
「や、だ…。月兎やだッ!」
「大丈夫ですよ。ここは空間ですから。一つの部屋みたいなものです。」
「部屋?」
「はい。だから、私たちだけです。」
桜の体から力が抜ける。
愛しそうに微笑むと、ベッドに降ろし、自分も乗った。
ギシリ、とベッドが苦しそうな声をあげる。
「私に貴方をください」
「あッ!」
着物をはだけさせ、月明かりに浮かぶ鎖骨に舌を這わせ、甘噛みする。
「いたッ!あ、ひぁん」
完全に前を露にしてしまうと、赤い果実の片方を口に含み、もう片方を指で摘んだ。
クニクニ、と刺激すれば甘い嬌声があがる。
「あッ…ハァ、ッくぅ…つ、きとぉ…」
「奇麗ですよ…」
次第に下肢へと手が延び桜の芯にそっと触れる。
「熱いですね。フフ…」
ぺろりと舌なめずりすると、それを口に含んだ。
「ああっ!!やだ…よ。汚い…ン、ハァ……」
白くほっそりとした指が月色の髪を掴むが、力はとうの昔に入らなくなっていたため、たいした抵抗にはならない。
「やだ、も…出るッ!あやぁッッッ!」
「イきなさい。」
グリッと芯の頭を舌でえぐる。
「ッああぁあああぁ!!」
ドクリと月兎の咥内に白濁が吐き出された。
それを、幸せそうに微笑みながら嚥下した。
「ハッ…ハッ…ハッ…」
潤んだ瞳とうっすら頬に引かれた赤みが、なんとも奇麗で、月兎は呼吸を整えさせる前に唇を貪り、蕾に指をたてた。
「ひぁッ…つき、ちょ、まだ待っ、あああ!?」
「すみません、桜。…けれど、ずっとこの日を待っていたんです。狂おしいほどに恋しくて、焦がれて、焦がれて…」
桜は胸が締め付けられる思いだった。
二人の間の行為は、とまっていた。
「ごめん…。ごめんね、月兎。もし、僕が……僕らが人だったら…良かったのにね…」
ホロリと桜の目尻から、一筋の涙が落ちる。
それを月兎は、舐めとった。
「泣かないで…。桜が桜であるからこそ、私はあなたが好きなんです。桜が桜の花の化身で、私が月光の化身だから、今こうしていられるんです。」
笑いかけ、安心させると再び行為を始めた。
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