無色ノ噺
ニャン☆ワン!…ん?
うちのガッコに、かぁわいい顔した猫がいる。
名前は、ユズキ。
言っとくけど、人間。
うちのガッコは、所謂不良校で、共学にもかかわらず女がいない。
んで、中には男のケツに目がいく奴がいるんだ。
ちなみにオレは基本ノンケ食いの両刀。
まぁ、自他共に認める今人気のカッコイイ、クール系の顔してるから、セックスの相手には全く困らない。
そんなオレでも、ユズキなら進んでヤってみても悪くねぇかな?と思っている。
――――――――――――――
なん、だって?
オレは今、呼び出されて体育館の倉庫にいる。
呼び出したのは、ユズキ。
埃臭い倉庫に二人きり。
言わずもがな、ユズキは男で、オレみたいに浮ついた噂などない。
貞操観念もしっかりしていて、下ネタの話を吹っ掛けられると、いつも顔を真っ赤にして俯いてしまう。
そんなユズキがもう一度染み込ませるように言う。
「僕、ホシのことが好きなんだ。付き合ってほしい。」
「………」
呆然。
答えが欲しくて、上目使いに「ホシ…」と名を呼ばれる。
「あ、えっと…いいけど。オレ、浮気性だぜ?」
来るもの拒まず、去るもの追わず。
これオレのモットーね。
そしたら、ユズキは奇麗な笑顔を浮かべて言うんだ。
「大丈夫…俺が躾てあげるから。」
ん?
口調かわっ、
ドサッ…
押し倒された。
「えっと、ユズキ?ユズキが下なんじゃ?」
「俺、こう見えて…タチだよ。」
マジかよ!
「安心して?優〜しく抱いてあげる。それに、駄犬を忠犬に躾るなんて、楽しいじゃん♪」
――――――――――――――
その日、オレは可愛いと思っていた猫に美味しくいただかれました。
End
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