無色ノ噺
私と愛しい御主人様*
帰宅すると、そのまま私の部屋に直行した。
「あ、秋江さん!?」
「何でしょう?」
「ちょ、あの…ひゃわっ!」
どさりとベッドに降ろすと、顎のラインを指でなぞった。
「壱魅様、俺に貴方をください。」
「っ!」
「駄目でしょうか?」
「だって、僕男だし!」
「構いません。」
「執事と主人で…」
「そんなもの、関係ないでしょう?壱魅様、逃げないでください。」
「っ!…僕、僕…可愛く、ないよ?」
「俺にとっては、とても可愛い。可愛くて、愛らしくて…、」
―――愛おしい。
「うぅっ…僕、僕…、秋江さんを、好きで、いいの?」
「はい。」
「秋江さん、欲しがって、ねだってもいいの?」
「はい。………はい?」
「秋江さん、」
―――僕を抱いて。
耳を疑うより先に、体が動いて、触れることもないと思っていた唇に己のそれで触れていた。
暖かく、柔らかな感触に、しばし溺れ、口を離す頃には銀の糸で繋がった。
「はぁ…はぁ…はぁ…」
「可愛い。壱魅様、この先どうしたいですか?」
「はぁ…あ、もっと…もっと、秋江さんが、欲しい…最後まで、して?」
「ふふ…途中でなんか、止めませんから。」
コクコクと頷く壱魅様を撫で、服を脱がせながら、首に、鎖骨に、小さな突起に、口づけた。
「ん、はぁ…あ!」
「壱魅様…」
一糸纏わぬ体は、ひどく頼りなげで、でも、結構大胆でもあった。
「僕の、全部あげる…から。だから…」
「愛してます。」
「秋江、さん…んぅ!」
キスをしながら、壱魅様の立ち上がったソレを優しく扱けば、慣れていない快感に腰を跳ねさせる。
可愛くて、クスッと笑うと、恥じらいから真っ赤になる姿が、また可愛い。
「ふあぁっ!」
どぴゅっと放った白濁に、息を荒げる壱魅様。
堪らなく、色っぽい。
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