stargaze





果てしなく遠い空。
零れ落ちる光の雫。
体を包む優しい風。
そっと繋いだ君の指。



「来年も、こうして二人で居られますように」

「去年も同じことを言っていなかったか?」

「いいだろ、毎年同じことお祈りできるなんて、幸せな証拠だ」



笑いながら、細められた瞳の色。
同じ、けれど違うその色に、惹かれ始めたのはいつからか。
問いかけて、愚問だったとセフィロスは首を振る。
初めて出会った日。
初めて視線を合わせたその日から、ずっと惹かれていたのだから。





















stargaze






















星空に抱かれて、描いた夢。
過去も、今も、未来も。
ずっと、こうして手を取り合えたら。
寄り添い合えたなら、他に幸せなことなどないだろう。



「俺は、初めて会った日から、お前に惹かれていたんだ」

「なになに、一目惚れってやつ?」

「茶化すな。お前はどうなんだ」

「…俺だって、一緒だよ」



それまで知っていたのは、英雄としてのセフィロス。
無慈悲な太刀筋と、何者をも凌駕する圧倒的な力。
けれど、初めて目にした彼は、英雄に会えたと喜ぶ年若いソルジャー達に、苦しげな笑みを浮かべて。
この人の、本当の笑顔が見たい。
そう、思ったんだ。



「あんたは?何かお願いしたのか?」

「秘密だ」

「教えろよ」

「……」

「なぁ!」



セフィロスの両頬を包み、拗ねたように言うザックス。
その態度がまるで子供のように見えて、セフィロスは可笑しそうに声を漏らし、笑った。



「そうだな…なら、ザックスとキスがしたい、とお願いしてみるか?」

「かっ…からかってるつもり…」



頬を染め、怒ったような顔をするザックスに、奪うように唇を重ねて。
ゆっくりと離せば、見えたのははにかみ笑う顔。



「…セフィロスのばか」



ザックスの声に、セフィロスもつられたように笑みを浮かべる。
それは、柔らかく、あたたかな微笑み。
初めて会った日から望んだ、笑顔。
何度も見たはずのその笑顔に、日毎に増す恋しさ。
赤い頬を隠すように抱きついて、照れ隠しに囁いた。



「願い事、ひとつ叶ったよ」









   end...





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ということで、慌てて書いた七夕フリーです(短いよ!
これだから私は計画性のない…(
べっ別にタイトルはスターのあとにゲイズって付くからって決めたわけじゃないんだから!ゲイなんて言ってないんだから!
来年は忘れたくないです、七夕…
それでは、ここまで読んでくださり、ありがとうございました!
(フリー期間は終了しています)

2009.7.7




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