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その最中であるも、紅色を垂らす傷口は禍々しい獣神の持つ力で癒え。
柔軟弾く内腔に別なる分泌液を十分に促して潤滑を保ち。
肉芯に纏わりついた真紅を淡色へと変え、サスケの視線を釘付けにしていた。

その卑猥な光景より奏でる水音が滴る光沢を泡立せ、サスケの切実も窮まりを見せる。


「…くっ…、ナルト――…好きだ。」

あの日より、無言で幾度の劣情を交わしただろうか。

漸く聴けた言の葉は己名を呼ぶもの。

ナルトは感嘆して崩れ落ちただらしない貌を重ねた腕よりやや持ち上げ、大きな瞳でハッと息を飲み込んだ。


それから背面に位置つけるサスケには届かずなのを最善として、俯き加減にて柔らかく微笑み。
水膜に覆われた碧珠より嬉色を含めた雫を古びた木肌に落とした。


この時にナルトは気付く。
己の真意に……


サスケの荒んだ心情を慰撫したくと彼の好き勝手にさせてきた情事。
驚きながらも訳が解らず、背中より羽交い締めにされた侭、半ば成り行きで陵辱は蔑みと怒気とを写実に吐き出した強硬が最初だった。


それからも容貌見せずと背中から振る舞うサスケの感情を吐露すべき器と卑下し、乱暴な屈辱を許容してサスケの為との名目で犠牲になる事を望んだのはサスケの心の平穏を求めると同時、サスケに嫌われる事を酷く恐れていたから。


里の崩壊よりも

己の夢よりも

何よりも……

即ちそれは―――‥


長い沈黙を破ったサスケのたった一言で、やっと見つけた答え。

頑な性質からして処理的に求めたのではなく……―――

至極、単純な感情からのものだった。



「…サァ…――、っあ!…ぁっ、…んん…サスケぇぇッ、…はっ‥ぅ、ああぁ──…!!」

「…うっ!」


煮沸する官能を共有して、一瞬の激昂に蕩ろけゆく。



言葉失くとも、迸った熱の脈打ちが核心に迫りくる。

決して容易い気持ちで繋がったのではないと伝えるように。

背中に滑り落ちた体温は余韻嫋々とナルトを包んで未だ楔を離す事なく。
ナルトの睫毛に浮いた雫を拭う優しい指先と金糸に触れる唇が、不実な行為の理由を教えていた。








伝法(荒々しく乱暴なようす)伝心(あるものをもって教える気持ち)

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