2 交錯する思考が鈍くなった頃、合図さながら扉が叩かれる。 慌てて立ち上がり扉を開くと、身柄を隠す出で立ちの割りに堂々たる雰囲気で立ちはだかる待ち人の姿が眼に止まった。 暗闇に染まった黙視にナルトは伏くす様子で碧の眼差しを外し、黒髪掛かる横顔を素通りさせ、ゆっくりと扉を閉める。 そうした刹那に伸し掛かかった圧迫に立ち竦む。 ――布地越しからでも伝わる体温 ――輪郭に固定付いた武骨な手指 耳殻に吹き寄せられる吐息 抗いは許容しないと力入る腕―――… 目まぐるしい所作に丁寧さは見受けられない。 金糸を掴み引き、横方へ無理矢理傾け、端然だが狂れたかな歪み持つ唇を逡巡して渇いた唇に押しつける。 ただ忙しなく粗暴な交遊を欲して保つ寡黙に、衣擦れと縺れる水声が響く。 反芻するように搦まるサスケの舌の流動にナルトの舌は震え、苦しそうな呼吸を繰り返す横顔が歪みつく。 歯列の裏側まで舐め尽くしては唾液ごと啜り呼気を奪う… そんな濃厚な口付けに酔わされ、ナルトはそれだけで溶けてしまいそうになり足元をふらつかせた。 ナルトの首筋にどちらつかずの唾液で塗れた唇が滑れば、下肢さえも上気して高音を啜る吐声が漏れそうになる。 けれども、そんな痴態を少しでも出してしまえば“相手の思う壺“と身を頑なに腰を逃がし。眉間に縦皺作りて奥歯を力強く噛む。 ナルトの梨の礫(つぶて)なる小さな抗いには口角を釣り上げ、サスケは下肢の金具へと手をかけた。 小窓を放った布地に蔓延る湿り気が生暖かい。 口付けのみで窮屈と喚くナルトの誇張を湿った布地上から指腹で軽く辿れば、その感度も知れる。 幾ら凌いでも無駄というもの。 心で否定はしても払えずな熱溜まりが下着の袷目より外気へと誘われ、深刻に怯えるナルトの肩が震える。 サスケは推量をつけ、よもや触れられる事を望んでいる反り勃ちを掴み握り、示し合わせたかに余した包皮を一気に剥いだ。 「――ぅあ…っ!?」 そして瞠る碧眼を無視し、露となった桃色の突端へ視線を向ける。 予想以上にピンと張った丘面の艶やかな彩度を双眸へ焼き付け、惚気た吐息を長くと漏らし。 それ以外は何も発しはせず、何も動作を加えずにナルトの肩先へ顎を乗せ、暫く握り込んだ肉茎の皮剥げた桃面の色香を眺めて彷彿していた。 [*前へ][次へ#] |