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決死に追い掛けるも約束を果たす事未だ適わず。

またこんな関係にもなろうとは思いもよらず……ーー

初恋を抱いていた者を背徳する行為で繋いでしまった。


利用しようと目論んだからだろうか。
それとも諦めさせようとしたからか、今は対峙を避けるべきとしたからか…――


幾つもの疑問は沸くが、明確な意図は全く知れないまま退屈な時間ばかりが過ぎてゆく。
仮眠も禄に取れない日々が続く。



サスケが企てているというダンゾウ暗殺計画。兄を利用して一族の御霊と引き換えに平和を保った現火影と上層部への復讐。

その強襲を阻止すべく、里の一角を堅める要員として任命を受けたナルトは境界地の高台に安置され、容易に里外へは出られずな状況下におかれていた。



敵より聴かされた話が誠だとすれば、その心境は理解出来る。否、嘘だとしても家族を失ったのは真実であるから、その仕打ちには報復をーーと刹那的に誰しも思うだろう。


ナルトの父親も平和を守った代償として命を落とした。
我が子の腹に魔物を封印して。


そんな実情を知っていた者は多数いた筈なのに。英雄と讃えられた者の息子は忌み嫌われ、存在を無視するかな仕打ちを民より受け続け、一層の孤独を強いられた。
故に強さを求め、力を求め、“火影になって見返す”という信念を持ち精進してきた過去。それは報復に類していた。

結局は知らず知らずに仇討ちを謀っていたのだ、都合良い方法で…ーー

掲げ目指す高みの発端にナルトは首を横振った。

奥歯を噛み締めながら、恩恵を受けた者達の顔を過ぎらせて窓に映る夜空を見上げる。
その者達が居たからこそ現在があるのだと。



また皆で日々を過ごしたいと願う。


心身共々どんなに傷いても構いはしない。サスケの心さえ此以上、傷つかないのなら…ーー

一つ納得して意を固めれば別なる思考に今度は拐かされる。

決死に阻止すれば避けられるだろうに、特に著しい抵抗もせずに繰り返し受け入れてしまうのは何故――…


こうした終わりなき疑問を掲げるのは毎夜の事。
既に日常化として奪還の糸口も掴めず。

警戒を張り巡らせる最中、ナルトは今宵も里の高台にある見張り小屋で、密かに待ち侘びていた。


自分を陵辱しては速やかに立ち去ってゆくだろう、あの男を今夜も。



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あきゅろす。
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