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覚醒。※ナルト
夢なら…



早く覚めろ…!


早く、早く……!!




そーだ、と思いつき

頬をつねってみる。


夢なら痛くないハズ…


ちくしょー‥


痛ェや……


…ちっくしょぉおッ!!







混沌とした感情が溢れでる中、

やっと
聞こえた答えが
真実を確定させた



「……今は悲しいだろうけど……、その内……薄れてくるさ。
サスケが守ってくれたものを守りたいなら、……木ノ葉に帰るんだ。イルカ先生もナルトの事、心配してたぞ…」



…何だ、そりゃあ。
全ッ然
答えになってねーし、

結局
サスケは犬死扱いにするんか?



「……ふざ‥けんな…。てめーらの攻撃の矛先は…、全部…このオレだったクセによ……。サスケがオレをかばってくれたから………――」


「……最初からサスケだけがターゲットだったんだよ。…ナルトを庇う事が想定内と仕掛けた攻撃だった。」


手の内を明すのは
何のためなんか
理解出来ない。



…じゃあ…
サスケは…
木ノ葉の思惑通りに……――殺られたって言うんかッ!



「てめー‥オレよりバカだったんだな…――」


封印を解くには十分過ぎる答えだった…


サスケが居ない



守るモンは
何ひとつ存在しない


「……ナルト?」



「汚ねーんだよ…、てめーらは…。
そんなに体裁が大事か?そんなに世間体だとかを守りたいんか?」


「……そうじゃないよ、…でも誤解されても仕方ない、か。」


「…そーいや、忍者は裏の裏を読めって、アンタに教わったけ。」


……意外性No.1のオレにも読めなかった。木ノ葉の裏の裏は……

フタを開けたら真っ黒な正義だった。



「こんなの、きっと
ありきたりなんかも知んねーけど…」

白い正義を翳したフリをした真っ黒は……
真剣な想いを、
サスケの命をもてあそんだ…


「…これをっ、…どう許して、里に帰れってーんだ?」


許せるワケ……
ねーだろがぁッ!!!




鼓動が加速する……
血が騒ぐ…

怒りと哀しみで
頭ン中がいっぱいになる…


オレに問い掛ける
古の低い声が谺する……






御前ヲ追イ詰メ

我ヲ護リシ者ヲ
死二到ラシメタ‥


……此ノ事実
必要カ否カ……


要ラヌナラ
壊シテシマエ……



新シイ世界ヲ
作ルニハ……
破壊ガ必要…



今コソ開放ヲ求メ

我ガチカラ二頼レ…







「オレは……
オレの守りてェもんを通す‥!!」




「……オレ達を認めず
サスケを殺した…
木ノ葉を…
この世界を…
オレは、ぜってェ許さねぇ……ッ!!」


狐衣と呼ばれる
紅い妖炎が体を纏う。
尾獸を象徴する尾が、二本から四本……五本…六本……七本と増えたのは
あっという間で…

サスケを抱きあげ
立ち上がる頃には
意識は完全に腹ん中に納まったバケモンと同化していた……


「…なあ……
これも…てめーら木ノ葉のシナリオ通りなんかぁ‥?」

九本の尾が生えた頃にはカカシ先生が
すげー小さくなっちまってた…



「マズイ!綱手さまに一刻も早く伝えなければ……」




「オラ、逃げんなって…。今…いい夢見させてやっからさ。」


クツクツ笑う
この顔は
『うずまきナルト』
じゃねー…別の顔







其ウダ……
小僧、此ノ姿ハ
太古カラ奉リ崇メ
虞レラレシ紅蓮ノ妖狐
九ノ尾ヲ持ツ

儂ノモノ……

朱金二輝ク此姿ハ
最高位ヲ示ス狐ノ白眉

ネ申ニモ邪二モ成リテ

人間共ヲ惑ワシ
世ヲ浄化ヘト導ク‥
尾獣ノ皇

御前ノ怒リハ
愚カ為ル世ノ時世ヲ
変エル所縁…
儂ヲ覚醒シタ遣使ト到リテ世界改ト為ル一歩ヲ踏メヨ…‥






「…――先ずは、
散々世話んなった、
てめーからだ…
カカシ…先生さんよォ…」


片手に収まった
サスケが
玩具の人形みてーに
小さく感じる…




サスケ……

今、お前の敵を取ってやっかんな……



何だ、こいつ――…

千の技と術を持ってるとか、エラぶって
ほざいてたワリには、
随分
弱っちいじゃねーか。






踏み潰しては
みたけど

まだ生きてるなんて
しぶてーヤツ



まァ……
直ぐに息の根を
止めんのも
面白くねーかんな。






…――サスケは


もっと

痛かったんだ




もっと、


もっと…



もっと――‥


心も……体も…


痛かったんだぜ……





それに比べたら

てめーは

まだマシな方だ!



『オメーの意識
飛んじまってっからさ。痛ェとか、
感じねーンだろ?』


『なあ…――
無視すンじゃねェよ‥』

オレは
九尾の意識下から
元恩師だったヤローの意識下に
話しかけていた。



『しっかし、よく…
サスケを
殺せたモンだよな…』


『あんなにてめーを慕ってた時期も
あったてーのによ。』




『あ?…なになに?
自来也の命令で…
面倒みてやれってーから、みてただけだと?』





一体なんなんだ?

忍ってーのは……



上から命令されりゃあ、何だって言う事
聞くのかよ?




『プライドも
ヘッタクレも
あったモンじゃねーなァ…』




『心』は‥ねーのかよ。


アカデミーで
イルカ先生に教わった事




スリーマンセル組んで
カカシ先生に教わった事…


サクラちゃんに
里の仲間…
火影のじっちゃんに…綱手のばーちゃん…
エロ仙人…

闘った奴らから
学んだ事……

たくさんあった。



…絆、…信頼、
思いやる心…
誰を何かを必要として
……愛する心



木ノ葉の里から学んだ
のに



全部ッ
全部……――




上辺だけだったんか…



くっだらねェ……


ホント
下らねーってばよ…‥







哀しみが止まらない


怒りが止まんねェ‥







『カカシ先生は
このまんまにして
木ノ葉を
ぶっ潰す…!!』








こんな偽善は
要らない……






オレが


真実とするのは


サスケの存在と


愛する心だけ…








サスケが生まれ
サスケが暮らして
ずっと守ってきた

あの場所…――







オレとサスケが
初めて愛し合った
場所…‥





サスケんちだけは
残して……





偽りを
…全部、消しに行く!


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