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声の限りに…※ナルト
オレに
向けられた、いくつもの技や術は……


素早さに長けたサスケの体を貫いた。


アイツの赤がオレに降りかかる。




小さな傷は、忌まわしいチカラで治癒したみてーだけど、致命的な傷口から『赤』が止まる事はなかった。




それがどーいう事なのか、バカなオレにでも理解できた






Never let you go..






オレはサスケを守ると誓った。



サスケは
命懸けでオレを護ると誓い



今…――
それを貫こうとしている。



オレはサスケの
その思いを守る!
ぜってぇ…守り通してみせるッ!!



諦めないチカラで!


紅い炎のよーな
チャクラがオレを包む。


熱いもんが漲ってく



…‥でも




しょっぱいもんは止まんなかった‥



放った螺旋丸は
サスケを守りたい気持ちを沢山つめた。

チャクラを失くし
羽を失くし
傷だらけで
ボロボロなクセに
まだ、
オレの楯になって
佇んでいたサスケ…‥






オレは
ぜってー諦めない…!





……サスケッ!


お前を死なせやしない!



奇跡は起こるかも
知んねぇ……



そう信じたら涙が止まった。


お前の好きな笑顔んなれた



今、オレの想いと、チャクラを贈るから…



なあ、…サスケ…――

お前が眠りから
覚めたら、これはお前の写輪眼が見せてる幻だったんだって『こんな術に引っ掛かるな…、ウスラトンカチ』って…ーー
そう言って
憎たらしい
いつもの笑顔を見せてくれよな?




「約束…だってばよ…サスケ…――」




何度も何度も
息吹を送る……



もし
神様がいたとしたら

もう
何もいらねーから
サスケを……―――








そう何度も何度も願ってチャクラを送り続けて少し経った時、オレの体を抱き寄せるサスケの強いチカラを感じた。
オレを頼りに、よろける足元を踏んじばって立ち上がるサスケがいた…。
分からず屋の連中たちに小さな鉢ん中の世界に住む奴らの偏見を吹き消すよーに…サスケは呼吸を取り戻した。

「サスケッ!」

「……ーー喜ぶのはまだ早ェよ、ウスラトンカチ…」

神さんや仏さんが実際、いるかどうかはわかんねェまんまだけど、今だけは確かに存在していた。
夢じゃない現実の世界に。

そしてまだまだオレ達を始末しにきた木ノ葉の忍は沢山いた。


オレとお前の
大きな気持ちは
てめーらなんかに
負けやしねー‥



確かに
オレとサスケは
二人のチカラを足してみても、まだ暗部やカカシ先生のチカラには及ばないかも知んねぇ…。


けどな…オレたちの強い誓いや想いを合わせて足すんじゃなく、カケてみたら…てめーら全部束ンなったチカラよか強いチカラが生まれるハズなんだ!

現にサスケは息を吹き返した。

想いの強さと信じる力の強さで…。
だから、オレ達は負けねんだってばよ…っ。

「…呪印を…ーーもう一度、解放させる。……千鳥を流したバリアを広げ、翼が足りない分だけになるが、…全力でお前を擁護する……。だからお前も、もう一度…」

「わかった。すんげーデッカイ螺旋丸をお見舞いしてやるってばよ…」


複数からの攻撃を躱すために影分身をしてオレも本体を守りつつ、手順を進めてく。

「うぉおおおおーーッ!!!」

完全に俺の防御に徹しながら、千鳥の飛礫を砲弾のようにするサスケの攻撃が途切れる頃、大玉の螺旋丸を辺り一面にぶっ放す。断末魔の声を掻き消すほどの大きな爆発音と削れた地や吹っ飛んだ木々の粉塵混ざる水煙りが一面にあがる。

螺旋丸の爆風が止んで眼に映ったのは倒れて動かない木ノ葉の忍兵たちだった。


「やった!!サスケやったぞ!全員倒したってばよ!!」

「ーー……ああ…」
「……サスケッ!!?……」

安心したんか力抜けて崩れ落ちるサスケ。その身を咄嗟に抱き止め、跪く。

そうして広がった視界。そこに映った光景に息を飲む。



「カカシ先生…、アンタまだ……――動けんのかよ……」

「………お前達には、まだ負けんよ…」
「クソ!!」


明らかにオレを狙ったとしても……
何でこんな事、出来んだよ…

黙って里を出たら
皆、敵になるんか…?

カカシ先生はオレ達の手本で見本で、仲間だったじゃねーか。

綱手のばーちゃんだって、エロ仙人だってサクラちゃんだって……


忍ってなに?
国や里の飼い犬なんか?たった一人の為に
命をかけちゃダメなんか?


守るもんは
いつだって国や里の平和と、都合のいい掟や秘密だってーのかよ…。
だとしたら、
その流儀……許さねェ!


悔しさと哀しみを交えて力を失ったサスケを抱き締める。
カカシ先生への怒りは後回しにして……。

「怪我は…ねぇか…」

掠声にぐっと強く眉間を寄せ瞬き、唇を噛み締めてこらえる。
けど、サスケの様子から“もう奇跡はない”との理解から溢れ出る涙がたたない。

そんな中でせめてと、拭うような笑顔に変え声を明るくと弾ませる。

「………サスケに守られてっから、あるワケねーだろっ。」

コイツの開いた黒い瞳孔には、もうオレは映っちゃいない。
ただオレの顔が反射してるだけ……

「……――そう、…だったな…」

「もう喋んな、お前ボロボロなんだからさ…、これ以上、喋っと‥また‥キスしちまうぞ。」

「フン……、……望む…ところ…だ…」



唇から流れるサスケの『赤』をオレの唇で拭い去る…――

息絶え絶えのアイツの唇が至近で動く
片手の指先が
オレの頬の三本傷をなで、瞬きをしない漆黒の瞳がオレを照らす。

「…ナルト……
愛してる…、お前を……………永遠に……――」


滑り墜ちる指…
満ちた微笑み……

弓みてーにしなったかと思った瞬間、柔らかくなった身をオレの腕に膝上にと落とした。



何だ、
その穏やかな顔は……――?



オレは
そんな笑顔
見たかねーんだよ…!!



「…てめー‥何やってんだってばよ!
オレを守んだろ?
まだカカシ先生、生きてんぞ?、ホラ!起きろッ!!写輪眼を持ってる奴ァ、写輪眼じゃねーと倒せねーんだろう?」





……サスケ






サスケ……ッ…



「サスケぇぇええ――‥ッ」


声の限り
愛しい名前を呼び

まだ暖かい『赤』が滲む最愛を抱き締めた……力の限り





「…もう…サスケは居ないよ…。さあ、帰ろうか……ナルト……」




サスケをこんな風にした奴のうざってェ不協和音が逆にオレを冷静にさせた……



「………オレ達が何をした?
何か、メーワクでもかけたんかよ…?」


「……‥‥…。」


「ただ……愛したのがオトコだっただけじゃねーか…。
それの何が悪いんだ?」

動かないサスケがこれ以上ボロボロになんねーように抱きかかえながら、オレは対面に這いつくばって近寄ってくる残党に問い掛けつづけた。

「…あのさ、オレってばバカだからわかんねーんだよ。
…頭イイ、てめーならわかんだろ?
オレ達の何がイケナかった?、
なァ…‥教えてくれってばよ、…カカシ先生……」


答えが返って来ない
のはわかんねーからなんか?


「…黙ったまんまじゃわかんねーって!
オラ!何とか言えよッ!!カカシ先生ッ!
何の文句も言えねーつーんなら、
…サスケを……返しやがれッ!!」



やっぱり
諦めきれねーよ…
サスケが居ないなんて信じたかねー‥
どうにかしてサスケを取り戻したい



こんな
景色は望んじゃいねー……





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