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#4



晴れ渡る空
湿り気帯びる風
樹々の葉や草から落ちる雨露がくっきりとした風光を翳してナルトを魅了していた幻影を掻き消し、現在の記憶を連れ戻す。

そう、此処は里の一角にある湖。
古来から
上流と下流を繋ぎ大地を育む環だ、と。









湖を後にして陽を背負い歩くナルトは、薄灰色のズボンに貼り付いた泥染みと、普段なら避けて通る水溜まりに躊躇なく踏み入れ歩く裸足を隣で並び見て、クスッと笑った。


「帰ったら飯より風呂が先だな。」

「…おう!そうするってばよ。…ところで、なあ…」

「どうした?」

「…いや、やっぱ何でもねってば!」

「何だよ、気になるだろ?」

「…ーーあのさ、またこんな雨降らねーかなって、…そしたら、また雨ん坊に、アイツにまた会えるかも…って、そう‥思ってさ。」


「……ーー。」


「なあなあ、会えっかな? なァッ!!」

「…知るかよ」

ピクリと眉を一瞬跳ねさせて視線を逸らしたサスケは此以降、口籠り。何度も続けられる同じ質問にチィと舌を打ち鳴らして煩い事を伝え、執拗に腕を引っ張る手を振り解くように大きく揺らして、はぐらかす。

「会ってまた水溜まりで遊びてェんだ!会えっねっかなァ〜、嗚呼、会いてェなあァ〜ッと!!」

己勝手な音調をつけ口ずさんだ語尾があがると共にボチャンと泥水が跳ね、サスケのズボンに新しい斑点を付け足した。

「……ナルト、てめー‥」

「へへッ!」


睨んだ眼差しに映る反撃を期待した幼さ余す金糸少年が仕組んだ悪戯は、雨ん坊の正体に気付いてか否か。

それは不明であるとしたサスケは溜息で逃がし、平静を保つ素振りをして肌に張り付くズボンのポケットに両手を突っ込み、ナルトの期待を裏切り彼よりも先を歩いた。
干上がりゆく水溜まりで泥塗れになった裸足を蹴り上げ泥水を撒き散らして大股で早々にと運んで。

「チェッ、つまんねーのっ!」

先ゆく猫背に吐き捨て、あっかんべーと舌を出した後、何かを確信したかにニッと笑い、立ち止めていた足を通わせる。水含んだ重たい布地をタプタプと揺らして。


「おい!待て、待てってば、サスケェェーーッ!!」


目を凝らさずとも瞳にはっきり映る、濃厚な青を追いかける。


夏近い陽射しに乾く道。
そこに乾かない雨色の絵の具をポタポタポタリと二人分。


そまるよ

そめるよ


ちがう色に
おなじ温度に




二人の轍が続く。

やがて辿り着く
二人の場所へと
いつまでも……――











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あきゅろす。
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