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以心伝心※サスケ
ごぼ…と
笑み象る口から多量の紅が流れ出した。
擡げる瞳色が霞み行く…



太い尾束の鋭刃は俺の翼を肉片に変え、ナルトの腹皮一枚の場で留まり内側を破壊していった…。

弛む笑顔が崩れ
哀しそうな碧の瞳は涙に塗れても尚、眼差しだけは笑おうと眉を八の字に垂らして瞳に弧を描かせる。

「‥…
もう…死ぬ…の…はーーー‥嫌だ…
愛‥、してる。
…一緒に‥…いたい‥
…サス―‥…


「…‥ナルト。」

凝り固まった唇が愛しい名を刻むとナルト安堵に満ちた嬉色を浮かべてナルトの全身が脱力した。



強く抱き締め支えて
頬を合わせ込み上がったものを未だ暖かいナルトの頬に零していた。

茜色の空の袂…

ナルトは
二度目の死を選び
俺を守った。








結局
俺は何一つ果たしちゃいない。


己で選択した道の終着は常にこうした結果だった。


もう、大切な奴を失いたくはない…とした、あの日から随分経つというのにな…

一番
失いたくない者を失った。喪失感より情けなさに見舞われる。




「何が救世主だ、馬鹿馬鹿しい…」


ナルトを救うためだけのだろが…


「くそッ!」


悔しさと哀しみとで大きな瘢痕の亡骸をきつく抱擁し、我を忘れたかに慟哭していた。



‥サスケ…


「!?」

微かに届いたナルトの声。


「‥すき…ーー」


「‥ナルト?」

亡骸に眼向けたが語らず動かずな唇は冷たく‥…

大…好き‥」


近寄る声に顔を上げれば光放つ洞窟から沢山のナルトが此方へ向かって浮游していた。

「好き」「すき…」「大…好き」「…ずっとーー」「…大好き」「愛してる」「一緒がいい」
「サスケ」「サスケ」「サスケ」
「サスケ」「サスケ」
「サスケ」「サスケ」
「サスケ」
「サスケ」「サスケ」「サスケ」「サスケ」「サスケ」
「好き」「大…好き」「…愛してる」「…一緒」「…ずっとーー」「好き」「…大好き」「愛してる…」「愛してる」「一緒がいい」「好き」「大好き」
「サスケ…」「サスケ」「サスケ」「サスケ」「サスケ」「サスケ」「サスケ」「サスケ」「サスケ」「サスケ」「サスケ」「サスケ」「サスケ」


澱みない笑顔を振り撒き両手を広げて


空になったナルトを確りと抱きかかえ、立ち上がる俺を取り囲んだ…


「好き」「…愛してる」「…一緒」「…ずっとーー…大好き」
「サスケ」「サスケ」「サスケ」「…サスケ‥
大好き‥」





無数の
完全なる悪鬼は
俺に集り、救いを求めた…



きりなく現れ

執拗に…



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あきゅろす。
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