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side A NARUTO


真夜中の木ノ葉の里は家灯も疎ら。
だけども
歳月は繁栄とした文化と近代に見舞われ
緑よりも建物の灯が目立つようになっていた。

子供時代
夜中に走り流れた景色とは随分と変わり
過ぎた歴史を懐かしむ




「あの頃は見張り台の灯だけが、やけに皓々としていたのにな‥。」









そう…――




今宵は
幼い頃に見た
彗星が60年ぶりに姿を現す日。





六つの災い…
『怒り』『哀しみ』『妬み』『憎悪』『恐怖』『混乱』
比等を率いて。





足通わせた此の場所は…アイツの背中があった場所。



常に見慣れた景色が
何だか今日は違った景色に見える。



老朽しては
幾度か
木板を建て直して
ここだけは当時のまま‥――










灯をともして
もっと、と。


暗闇を消したくて…

木ノ葉の里を
夜でも明るく目立つ様にした。
今までの誰よりも
強い力を持った火影が居っから、
こんなに電光を照らしてたって平気なんだ。
木ノ葉は夜道でも
安心して歩ける里になったんだ……―――‥と

お前に
誇示してんだ。






見えっか?



暗闇の山ん中に光る
故郷の灯……




何だか
蛍みてーだろ?



こっちの水は‥‥ってお前に教えてやってるみてーだろ?




「…なァ、…サスケ…」






60年前より
明るくなった空を見上げ独言を呟く。







60年前より
オレは
強くなったんだ、と
伝えるように



あの頃より少し
見えなくなった星々を見詰める。










願いは
叶うワケがない──‥。




白い息を漏らし
湖へと目を落とす。




暗くて見えない湖面を眼下に薄くと笑み
現在のオレと
あの頃のオレを
照らし合わせる。





オレは…‥

あの頃より


『夢』

『希望』

失っていた







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