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ねがい※自来也

「綱手の奴の願いは……どうやらミナトに託されたようじゃのォ」

封印の術式を終えたと告げる時空を超えたクナイがワシの足元に突き刺さった。
巻物の紐を解き、口寄せをして、大ガマの蛙の腹ん中からサスケを抱えたまんまのナルトの亡骸を取り出した。


「…お前達を非難する輩は、もう居ないよーにワシがこの世界の偏見をなくす。
エロエロも交えてのォ‥!」



冷たくなった
二人の少年達を引き離す事なく肩に担ぎ、うちはの九尾を護る祠がある場所に埋葬する。

抱き締め包んだままで硬直を始めたからか、離れやしないから一緒に、その侭の形で…――


さて、
花の種でも蒔いてやろうかとポケットをまさぐる

「ありゃ、……確か用意したハズなのにオカシイわい…」

右や左に懐に手を入れてはガサガサと餞となる花の種を探していると不意に足元へ小さなリスが訪れた。

何やら冬眠に備えて向日葵の種を運んでいる様子じゃ。
リスは仙人なるワシに警戒する事なく、二人を埋めた柔らかな土を穿りソコに種を隠した。

「こりゃあ丁度いい、リスは直ぐに忘れるからのォ。夏になったら大きな花が咲くだろう‥。盆の季節だしナルトの髪のカタチにも似てるし、………いい餞になったわい。」

照らし合わせるたような偶然は……

二人の想いが天に届いたのだと……



ワシは勝手に
綴った物語の結末を
先に頭の中に
描き込んだ……





まったからかもな…」



「本当は泣いたんだろ?」



「なんでオレが
泣かなきゃなんねーんだよ!」


「鼻も赤いが……」


「途中で鼻水でそーだったから、鼻かんだんだ、だからだろ?」



「フン、強がるな…
さっき俺を呼んだ声、泣きながら…みたいだったぜ。」


頬をやや赤らめムッと眉毛を吊り上げて
眉間を寄せ
俺を見据える
ナルトの頭上に片手を置き
此方へと倒して
腕の中に収める



「……サスケ、…お前、あったけぇな」


額を肩口に押し当てて安堵した声色。



きっと
この声からして
いつもの様に笑っているに違いない


背中に着く
手が俺の衣服を握り込む。


そんなナルトの
金色の糸に片頬を倒して軽く髪を擦り…
離さないよう
強く抱き締める。



「ナルトも暖かい…」


辺り一面に
満開と咲く
この花のように……








―・・・・・・・Fin...




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あきゅろす。
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