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螺旋。※ミナト
「もう、オレの意識じゃ残念だけどコントロール出来ねーみてーでさ。……面倒かけっけど……そろそろ、九尾が暴れ出す前に…オレを始末してくんねーかな?」




「ああ…、そうだね。」



時を経て
違う未来を作る義務がナルト、君にはある。
この子の腹の中で…、また再び……――


「…こいつの…このちっちぇナルトの…
未来を潰したかねーんだ!だから、頼む、早くッ!」


この子はサスケと巡り合い、色々な絆を作りに行く。
諦めない力と陽の九尾の力を未来にもって……



オレはナルトを守る。


「焦らなくても大丈夫。キミの知っている歴史通りにオレがするから。」



キミなる九尾は小さなナルトに。


未来からやって来たキミは……――。


「オレも…このオレの未来を守りたい。
……ありがとう、そんでもって、……火影として守ってきたもんをこんなにしちまって…………ゴメン、な…
…父…――ちゃん。」

「あのな、ナルト。
未来は幾らでも変えられるんだよ。けれど、過去になった歴史は変えなれない。九尾が木ノ葉を襲った事実と
オレがナルトのお腹に九尾を封印し里を守ったと言う事実……、
これは何があっても変わらない。変えられない…」


「……━━。」


「……わかるかい?つまり、九尾となって君が此処に来なかったとしても…何らかの事態があり九尾が此処に現れ此の里を襲う…
それが君自身ではなくても…なんだ。」




「…――そ、っか。」



「君は君の大切なものを守ろうと頑張った。その事実も変わらないんだよ。」


詳細は解らないけど
腕の中に大切な者を抱えるナルトが酷く愛しいと思った…。


父親としての感情で。


「さっきまで『九尾と一緒に魂も封印してしまおう』と思ってたけど……、実はね、父ちゃんと呼ばれて嬉しくてさ。」


本当に嬉しかったんだ。

小さなキミは
まだ言葉を口に出来ないからね。


「……九尾と一緒より、サスケと一緒の方が断然いいよな?」

問いを翳すと
照れる顔……

オレもそんな風に
クシナを愛してる。



逢えなく
なったとしても…



「…あ……ああ、…そりゃあ…モチロンだってばよ。……また、…サスケに逢えんなら…――」


「ナルト…。
君が愛して止まない
“サスケ”に逢いに行っておいで……」


父親としてのキミへの餞を贈ろう…

最初で
最期のプレゼントだよ……ナルト。





片手のみで結んだ印、指先に集まった術を
嬉しそうな笑顔で
頷いたナルトに流す。

これを最期に
少年の姿をした
ナルトの権化は消え…


彼より何十倍も大きな体をした
九尾が

再び現れた




忌者と
契約を立てた式を取ると渦巻く螺旋に九尾の権化が溶け混ざり、小さなナルトの
腹に記した紋様内に旋風が納まって行く。






オレは九尾を封印した後、契約を結んだ者に納まる……予定だ。



あくまでも予定……
として、時空の鍵となるクナイを握り締める。












此処の場所に


残ったのは






存在を表明するような空に向けて

大きな声で泣く


小さな
頬に三本の傷をつけた生まれて間もない
ナルト
だけだった………――







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あきゅろす。
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