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@今日は何の日?(鼬佐)

鼬{お早う、サスケ。…とは言うものの、もう昼過ぎだ。
寝る子は育つというが、そろそろ起きたらどうだ?

佐{……zzz

鼬{…どうやらアレが必要なようだな。
御伽噺のようなアレが……。何故、目が醒めないか…。足りないからだ、触れ合いが…――(顔を寄せ、瞼を閉じると静寂を保つ寝息がそよぐ唇に己の其れを重ねようとして)

佐{(穏やかな休日の午後。隣に居るであろう伴侶の彼にすっかり安心し惰眠を貪る最中。背筋をゾッと悪寒が走り抜けてカッと目を見開き)…!!(ほぼ反射的に右手を振り上げ近づく相手の顔面に鉄拳を喰らわせようと)

鼬{(呼気の流れが変わったのを逸早く察知し向かい来る鉄拳をサッと交わして離れ)…折角、某携帯コミックスの広告の様な、兄弟水要らずなる禁断の図を描くに相応しい、昼下がりだと言うのに……。
相変わらず、空気が読めない奴だ。


佐{空気が読めないのはアンタの方だ…‥夫婦水入らずの休日に水をさすんじゃねェ…(軽々避けられた事も腹ただしく、寝起きの不機嫌さも相俟って語尾を強め上体を起こし)…広告の真似事なら、あの青い巨人と宜しくやってろ。そんな事よりナルトは何処だ?

鼬{(カーテンを放ち、冬至近い曇よりと濁った秋空を徐に見上げ)……ナルトくんは、買い物に出掛けたようだ。空気を読んでな…(鬼鮫云々にはスルーを決め込み)何でも、今日の日を尊びたいと好物を拵えてくれるらしい。

佐{尊ぶ?アンタの誕生日は6月9日の筈だ。(寝具から立ち上がり、寝間着のポケットへ手を突っ込み)…ナルトのヤツ…いつもなら俺を起こして一緒に買い物へ出掛けるのに…(ブツブツ…)


鼬{……(布団から身を離す相手へと視線を移し、スッと懐に近付くと外套のポケットからトマトを一つ取り出し、そっと胸倉に差し付けて微笑み)

佐{…なっ…(突然の事に面を喰らい、後ずさりながらトマトを持って)何なんだ一体…?何のつもりだ?


鼬{…今だけは、お前が幼い頃より抱いていた優しい兄で在りたい…(緩やかな瞬きをして仲良し兄弟だった昔を懐かしみ)今日の日に因んで……

佐{…(そんなに今日は特別な日であったかと思いを巡らすも答えは出ず。諦めたように息で笑って)フン…何だか知らねーが、ナルトが賛同してるなら協力してやらないでもない。(もらったトマトを服で拭い一口かじり)

鼬{(トマトを口にする姿が微笑ましいと双眸を細め、懐から手裏剣を取り出して頬張る横面を掠め通る様にして其れを投げ)…あの頃、教えてやれなかったが…――どうだ、少しは上達したか?(変に兄らしさを押し売りし)

佐{(突如として投げられた手裏剣には顔を逸らしかわし。二口目のトマトを頬張りながら悠々笑み)あの頃とは違う…アカデミーじゃ、俺より上手く手裏剣を投げられるヤツは居なかった。

鼬{(忍者学校をトップクラスで卒業したと三代目火影から聞いた時よりも一際感慨深くと、僅かな歳月の中での成長ぶりを眺めては兄としての喜びを胸中に広げ)…そうか。良く頑張ったな。(よしよし…と頭を撫で)

佐{…!(頭を撫でる手指の感触は温かく懐かしく、あの頃の優しかった兄を思い出し押し黙って俯き)……っ…(幼い頃、こうして兄に褒められたかった自分の感情も鮮やかに蘇り、静かに肩を震わせて唇を噛み)

鼬{(何だか素直な感じの素振りが途轍もなく愛らしくて堪らず。ガバッと暁マントで抱き締めて連れ去りたい衝動に駆られるも優しい兄を押し通す事を今日に因んで頑なとした誓い胸に留め。せめてと弟に触れた掌の香りを嗅ぎお腹一杯となり)…しかし、お前はまだ弱い。驕りは禁物だぞ。(薄笑みを浮かべて柔らかに示唆し)さて、そろそろお暇させて貰おうか。門限だと烏が鳴くのでな…(チョイチョイと掌甲を振って此方へ来るよう呼び掛け)

佐{(いつもの調子へ戻る兄にこちらも負けじと片口端を吊り上げ笑み)フン…餓鬼扱いするな。俺はアンタより強くなる。(帰る様子の相手に怪訝と眉を寄せ)ナルトの飯はどうした。まさか食べないつもりか?(そうこぼしつつ、ゆっくりと歩み寄り)

鼬{(頼もしい口調に口許を緩ませ、フッと笑息を漏らし。帰って欲しくないと伝える眼差しに彷彿する気持ちがぐらつき、招いた手で己よりも小さな身を抱き寄せようと象るも、飽くまで当時のイメージに拘り、対面に寄る弟の面構えへと其れを伸ばし。指先でピシと額を弾いて)…許せ、サスケ。また今度だ…(残念無念また来年!と内なる声を殺して、クールに瞬身の術で部屋を去り)

佐{!(小突かれた額へ手を添え、以前の様にはぐらかされたと眉尻を微かに下げ。瞬身の術にて相手の去りし後、窓へと歩み寄り空を見上げて)またな…兄さん。(小さくそう呟き、愛しい伴侶の彼が帰るのを待とうと階段へと歩を進め。それを下りきってすぐ、買い物袋を抱えた伴侶の姿を目に止め、兄が帰った旨を知らせると「11月23日は“いいニイさん”の日だから記念にイタチの大好きなキャベツとみたらし団子入りラーメンを作ろうとしたのに…。仕方ねー、今日はフツーのラーメンにすっか。」と残念そうに晩餐のメニューを口にして購入したカップラーメンを切なそうに取り出した伴侶を複雑な心境で眺め。何故悉く記念とした日にカップラーメンなのかとの疑問を掲げつつ、斬新なトッピングのラーメンを口にしなくて済んだとホッと胸を撫で下ろして、イタチのいい兄さんっぷりに感謝し)



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