@ともだちの正しい観察法
染井吉野なる桜も満開を過ぎたある日の任務帰り、散った桜を名残り惜しむかに並ぶ出店を通り過がるサスケは、ある二人の姿を目撃し早速と身を潜めナルトへと連絡する。
『シカマルとキバを発見した。地図で示した場所に来い。』
「いよいよ、シカマルのヤツ決意したんだな!よっしゃあ!ココは一番気合いをいれて応援するってばよ!」
学ランを着て鉢巻きを額にと応援団長様を気取り気合いを入れ
団旗を持ち指定場所に忍らしく現れる。
「サスケ、いよいよだな!」
「…ああ、一部始終写輪眼に収めてやるぜ。」
草叢の陰に潜むサスケは既に写輪眼へと変えた瞳、耳は二人の会話に澄ましていた。
「しかし、なんて格好してんだよ…お前。」
「へへッ!気合いいれてっかんな!」
「覗きにか?」
「おう!シカマルにがんばれってガンガンエール飛ばすかんな!がんばれ、がんばれ、シッカマル〜!!」
応援団旗をブンブン振り出すナルトを見て慌てたサスケは阻止するためにタックルをかまし草むらへと雪崩込む二人。
シカマルとキバが
ここより離れた場所にある出店で買い物していたので幸いにして気づかれず。
「立つな、旗振るな、バカ!」
「サスケも振りたいんか?ダメだ、ダメ!団旗を渡しちゃなんねー仕来たりだかんな…この世界はよ‥」
「どんな世界だよ…ったく」
「押忍!番長とかな男の世界だってばよ。」
「とにかく、バレたら上手く行くもんも行かなくなるから静かにしてろ。」
サスケに注意されたナルトが真っ先に目にしたのはシカマルとキバが何か食べ物を口にして談話している姿だった。
「オレもキバが食ってる、あのりんご飴食いてェ‥」
「後で、かにパンやるから我慢しろ‥」
「また、かにパンかよッ!?オレは、りんご飴がいいんだよ!小せェのを囓りてェんだってーの!!」
「いいから、静かにしろ…、ウスラトンカチ!キバが何だか話を逸らし始めちまったじゃねーか!テメーがうるせェから‥…」
「…ごめん、大人しく覗きに専念すっから、後でりんご飴な?」
「ああ、…お前の大好きな『りんご飴』くれてやるぜ、ミルク入りのな‥」
「練乳入りりんご飴なんて偉ェ豪華だな!
わかった、大人しくしてやるってばよ。」
ナルトはサスケが言った『りんご飴』の意味を知らず覗き忍に徹していた。
そんな折、シカマルは夜桜を観に行こうとキバを誘い出す。
「フッ…シカマルの奴まだ咲いてる八重桜の樹の下で…なんて、なかなかやるじゃねーか。」
「ときメモの世界狙ってんだって、アイツ普段めんどくせーとか言ってる割に以外とマロンチックだな!」
「ロマンティックだろ?」
「兄に気付いて下さ〜いって唄のアレみてーだよな…、シカマル。」
「その唄、確か『愛に…』じゃなかったか?」
「兄でも愛でも人類みな兄弟って唄だから気にすんなって!
それよか‥キバはなんて返事すんだろな?」
移動を予測して桜の樹の下での告白に期待を高めていたサスケとナルトはシカマルにココで紙飛行機を飛ばす。
何処の桜を見に行くつもりだ?
しっかり頑張れよ、シカマル。
サスケ
サスケの写輪眼占いじゃ3時くれェまでに告んねーと寝落ちされるって出てんぜ。
イカもらってイカクセェ仲になって来いってばよ。
オレ達も覗きデート続行中‥にしてェんだけど、邪魔すんのは流石にアレだからさ。
オレ達への返事はナシで、赤丸とがんばれよ!
ナルト
赤丸が覗きをしてる二人を察知したが為かどうかは判らずだが、シカマルの企てた『大きな桜の樹の下で…』なるロマンスに溢れたシチュはならず。
そしてシカマルから紙飛行機が飛んできた。
内容からして
シカマルの決意は本気と書いてマジと読む物であった。
「俺の話を聞いてくれ」
ヘタレでめんどくさがりなシカマルにしては上等と思われる、その決意からなる発言。
それに反応して歌うバカが一人。
「オレのッ、オレのッ、オレの話を〜聞けぇええ〜‥」
「……‥ナルト、静かにしろ。」
「五分だけでもいい〜ィィ」
「しゃくり入れんな。おい、俺の話‥聞いてるか?」
「おう!聞いてやってるってばよ!
キバ、何て言うんだろ?」
ドキドキする覗き屋二人。
「お前の話なんて、あとあと!それより‥」とするキバの答えは移動も阻む物であった。
そして
何だかどんどん話が別方向に逸れてしまい。いつの間にか味噌汁について語りだすキバ。
「味噌汁…、俺のために毎日作ってくれないか?…なんてな機転は利かねーらしいな‥」
そう思ったサスケは
またシカマルに檄を飛ばす紙飛行機をシカマルにあてる。
俺達に返事飛ばす暇があったら、目の前のソイツをなんとかして見せろ。(フフン)
サスケ
「味噌汁よか味噌ラーメンだよな!」
「…お前の頭ん中はラーメンしかねーのかよ‥。しかし、あの二人甘酸っぺェぜ。」
「学ランあちィ。汗かいてっからオレも何だか酸っぺェ気ィする‥」
ナルトがクンクンと学ランの袖を嗅ぎ汗の匂いを気にかけるのをチラリと見やり肩を抱き寄せるサスケはシカマルとキバの二人の醸し出す雰囲気に触発を受けながら、何処か上手く行くだろうと先読みし、風呂に入りたいと喚くナルトへ先に帰るよう促す。
「じゃあ悪りィけど、先帰って風呂入ってくっから、あとは夜露死苦ぅッ!」
ナルトが先に帰ると
覗きが減ったと赤丸がキバに伝え、誰が覗いていたかも的確にする。
キバがふった味噌汁の話題は一件、話が逸れたように思えたが実はそうではなく。
それを悟ったかは知れないがシカマルが有りっ丈の勇気を振り絞った。
「好きだ、キバ。お前の意味不明な誤字も合わせて半年前から好きだった。」
「寝落ちたお前んちに忍びこんでヨヨシカ印のエプロンつけて味噌汁作ってやりてェくらいオレも…」
一人、息を飲むサスケは安堵し微かな笑みが唇に帯びた。
「頑張った甲斐があったな。…大切にしてやれ。」
写輪眼占いの時刻に告白したシカマルはチャクラさえ使い切ったかにバタンキューとなり、キバに運ばれるハメに……。敢えて覗きに専念してキバに任せ、自宅へと帰る。
「ただいま。」
「おかえり、サスケ!味噌汁の具、結局どーなったんだ!?」
「…ああ、それはだな…──って、ちゃんと髪乾かせよ。」
「オレの髪よかシカマルとキバは!?」
「寝落ち、しやがった‥」
「へ?…キバがか?」
「いや、シカマルが‥だ。」
「告る前に…‥だったんか?」
「シカマル、やってくれたぜ…。」
「誤字ったんか!?
あの大事な場面で誤字って寝落ち……」
「そうじゃねーから安心しろ。」
詳細を聞き、よかった!と喜び筆を取るナルトの傍ら、ナルトが帰宅してから草陰に潜んでいた自分の他に誰かの気配を感じ取っていた事が今更にして気掛かりになり、あれは一体誰だったのかと巡らせ、恐らくアスマかイタチ辺りか……などと憶測し。
二人のメッセージを記した紙を鳩の足に括り眠り落ちたシカマルへと、やがて明けくる空に放った。
<おしまい>
サスケ「シカマル、キバおめでとう。夫婦でチラチラ見させてもらったぜ。」
ナルト「シカマルとキバ おめでとう〜!!(クラッカーぱああああん!)味噌汁ん中のジャーキーと寝落ちには気をつけろよっ!」
散々迷惑を御かけしまして申し訳ありませんでした。
シカマル君とキバ君
末永くお幸せにv
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