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ナルトは見た!ロマンスな神様な夢




広い白亜の部屋

大きなバルコニー

そこには淡い天蓋付きのクィーンサイズのベッドが一つ…


何だか様々な花の束がベッドヘッドに並べられ第二部サイズのサスケとナルトが一糸纏わぬ姿で横たわっていた



「なんで花がこんなに?」
と疑問を持つナルト。

それに対して答えを口にするよりは対応で示したくと花を束ね持つサスケは、不思議そうにするナルトを薄く笑い見つめ、
彼の額から瞼をベルベット地の様な肉厚な真紅の薔薇の花弁先で優しく撫で連ねた。


「いい香りだろ?
もっとお前に、この香を広げてやるよ‥。」

重厚な花弁はナルトの鼻先から唇を掠め未完成な首筋を通り
筋薄い胸間へと巡る。

その柔らかなヴェールの接触に肌を仄か震わせ細めた碧い瞳。
唇からは空気を啜る音が漏れる。


常日頃の朗らかさが失せる表情を覗き見する様子で
黒真珠の眸玉を照らしフ…と口端を持ち上げて笑う、その黒宿る輝きと視線が合えば吸い込まれそうな錯覚に見舞われて気を臆す。


「…サ‥スケ…」


愛しき名を怯えた様に刻む唇。
揺らぐ薔薇束が肌から遠のき
幾重の真紅の蕾が拳内で丁寧にほぐされると、たじろぐ少年の肌に満遍なくと散りばめられた。

濃厚な紅色が健康的な皮膚色と白いシーツに映え、微かに甘い花香が鼻腔に広がる。


「高島屋だ…。」

どうやら薔薇の模造紙を真似てみたかったらしい。


「真っ赤な薔薇の花弁に包まれたお前に、今‥俺の雷光を刻みつけよう。」


唇が花弁を退ける。
代わりに肌に痕付く朱色の斑紋のチクリとした甘やかな痛みに身を捩る

「…ぁ…‥ッ…――」



賑やかな音と腰打つ痛みに瞳を開くといつもの部屋の風景に変わっていた。

「いってェ…」

ベッドの下から這い上がると、けたたましい音に薄目を開け瞼を拳で擦りぼーッとする彼を見て夢の中の出来事と知り何故か安心する。


「あのさ、オレ何だかハーレクィーンなロマンスでアモーレでベルサイユな王子みてぇなサスケの夢、見たぜ!お前ってば、すっげーキザでやんの!高島屋だしッ!」

「…??‥ハーレクィーン?
何だよ、それ。」夢の内容を話したナルトはサスケに笑われ、
「随分とキザだな。それにお前エロい」

「な、なんだとォ!」


一連が悔しくて何とかサスケにギャフン←古い
と言わせたいナルト。任務の間も頭はイタズラ大作戦に余念がない。


そこへ某スドラー氏からのメールが届く。

「是非、ピンクエプロンを!狐耳尻尾付きで!」

との依頼なる内容。


「サスケも前から新婚らしく裸にエプロンが…とか言ってたし。よ、よし頑張ってみっか。」


イタズラ作戦決定!

疲れて帰って来たサスケにピンクエプロン、狐耳と尻尾のオプション付きでおたま持ちコソコソ…。


フリーズするサスケ。内心してやったりニッシシシ‥

北島〇ヤ目指して台本通りの台詞と演技。


片や悪魔とデュークが心の中で葛藤するサスケ。
脳内会議開始…

「ベッドにしようか。それともこのまま玄関で…。」




耳元で囁く声に
プツンと何か切れた。
ベッド決定。

乱雑に放られてスプリングに弾む身。
即座に覆いかかる黒い髪。
写輪眼じゃないのが未だ救いか。

だけど、こんなに冷静じゃないサスケを見たのは初めてかも知れない。

不安が胸を過ぎる。

『ぜってぇ‥阻止してやる!』

サスケは悶々としたまんま寝ればいいんだ!
んでエロいのはオレじゃなく、てめーだって思い知ればいい!


結束固く暴走王子を宥める。

あくまでもバファリン並みに優しく優しく――‥

「疲れてんだからさ、もう寝よう、な?」


「明日が休みなら…くそッ!」

限界近くにまで疲労した体は、衝動を抑える理由には十分だ。
互いも明日は任務だと言い聞かせ何とか千鳥を行方不明に導く
サスケが可愛くて愛しい。

「今度またしてやっから、今日はおやすみィ。」

あとで訊かれたら
口からデマカセとか何だとか誤魔化せばいいし、話題にしなけりゃあいいともう二度とやらないことを密かに誓いつつサスケを寝かせるナルトであった。



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