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@コスプレ大作戦!サスケの受難




「いい身体してますね!!イタズラ隊に入りませんか?」

リーの呼び掛けで集まった四人。


キバ、シカマル、四代目火影、…そしてオレ。

一人だけ何故おおきな友達がいる?
そして何故、ナルトがいない?

全く疑問だらけで、くだらねェ。


それより何より
本来オレはつるむのは好きじゃない。
だが、リーには不覚にもある弱味を握られ脅され仕方なく…━━だった。


アレをバラされちゃならねェ。アレだけは絶対に……。



「木ノ葉の皆さんに熱血な青春の1ページを送ってもらいたいプロデュース第一弾!としてガイスーツを着せよう計画を発足しました!」

リーの綿密な計画はシカマルが最大のキーマンだ…。
この忍ガイスーツ(プロトタイプ)化計画の被害者はアスマを筆頭に拡大し、木ノ葉だけに飽きたらず、カブトにまで及ぶ始末になるのか。


「サスケくんがカブトさんとは一番友好的立場だと思います!」

オレがカブトを呼びだしシカマルの影真似の術の射程圏内に招き入れ、皆でガイスーツを着せメガネに気をつけつつ太眉を描く……という戦略。


オレは早速、森林にカブトを呼び出した。


「君がボクに話があるなんて珍しいね。一体どんな風の吹き回しだい?」

シカマルが潜んでいる場所までまだ距離がある。勿論、オレとも…だ。

「大した話じゃねーが、…大きな声じゃ言えない事だ。」

「大蛇丸様に訊かれたらマズい事…かな?」

「…ああ。」

シカマルの位置を確認つけようと視線を斜め下方へと流す。

「照れるような話なんだね?」

「別に、照れたりはしていない…」

草藪に潜んでいるシカマルに目配っただけだ。


「相変わらず強がりだなァ。でも、そんな君もボクは意外と好きだよ。可哀相な大蛇丸様の情報をちょっとだけ教えてあげたくなるくらいに…、ね。」


大蛇丸の情報だと?

「そうか、なら……」


立てた広襟を肩先へと引き、奴にうなじのやや横にある呪印を晒して逆側に顔を傾ける。
呪印…こいつをコントロールする術が知りたくてと顎で促す。


「……何とかしろ。」


生唾を嚥下し動く喉仏…光るメガネ。
荒くなった鼻息がヤケに近くと感じる一瞬の間合い、地へと背中を追いやられる羽目となり、カブトの体圧が重くキツくとのしかかる。

「サスケくん!ボカァ、もう…ッ!!」

身体を捻って反転させようと試みたがカブトの勢いと鼻息が激しく。情けないが奴の唇を避けるのが精一杯だった。


「離せっ、離しやがれ…!」

印も結べずじたんだを踏み、もがき。写輪眼と呪印を発動させた、その時ガサガサと草を掻き分ける音がした。

「おいしいです!ナイスです!さあもっと写輪眼で苦悶した顔をしてください、サスケくん!しかも状態1の初期段階なんてマニアに高く売れちゃいます!嗚呼、カブトさん離しちゃダメですよ!!」

「モチロン、大蛇丸様に美味しくいただかれる前にボクが可愛い後輩達の前でちょっとだけ公開プレイしちゃうつもりだ。」

「ヒャッホー!!ここで○○おもいっきり公開プレイ、期待してっから頑張れよー、サスケ!」

「くだらねェ事ほざいてねーで、早くこのゲロメガネを何とかしろ。キバ、リー。」

「では、サスケくんのご要望にお応えして何とかしましょう。シカマルくん!お願いします!」


「任せとけって、影真似の術!!」


「‥―!!?……なっ、何!」


カブトと重なったまま、オレまでシカマルの術にはまり影を縛られる羽目に。

シカマル動作に操られ、カブトから離れられたのラッキーだったが、一粒三百メートルなポーズやらをさせられ……挙句、群がる連中に服を脱がされるとはな。

「ああ、ごめんねサスケくん。勢い余ってパンツまで降ろしちゃったよ。だけど…いいよね?君は脱いでナンボな位置だから。」

オレの成長期の千鳥が四代目火影の手により外気に晒され、笑う木ノ葉の連中の視線とリーのカメラが向けられた。


「ナイスです!ナイスですよ、四代目様!流石は伝説の火影です!」


隠したいが…シカマルの奴が発動させた術に抗えず一寸足りとも動けねェ。
これまで平穏な第七班での任務に失せていた意が甦る…ーー


「漸くオレは思い出した。……復讐者、だと…」

「ん!復習は大切だ。突然の夜襲とか色々あるし、常に踏まえて教訓を生かし精進あるのみだと思うよ。」

ニコニコニコニコしやがって何くだらねーボケをかましてんだか。いい歳こいて、その特攻服やらのセンスもどうかしてるってもんだ…


「…子供のままだな、アンタ。」

「嗚呼!眉毛がガイじゃなく両さんになっちゃったよ。サスケくんが喋るから失敗したけどおかっぱ頭は似合ってるからイーブンってとこかな?」

「外見は関係ない。オレは強い力が欲しい…」

「見た目を気にしてないって割には衣装チェンジ多いよな…、キミ。」

フン、余計な世話だ。

さて、そろそろ
この忌まわしいシカマルの術も解ける時間か…。


このままで済むと思うなよ…?




「アハハハ、大蛇丸様ァ―、ボクは今、ピッチピチな採れたて気分ですよー。」


ゲジ眉スーツ
確かにカブトは似合ってるぜ。


「親父が呼んでっから行くわ、そんじゃ!」

術が解けたと同時、シカマルに凄惨を加えようと勢いつけたが、あの野郎…いち早く脱兎のごとく逃げやがった…。

追いたいが流石に
この妙な恰好を木ノ葉の連中…、特にナルトには見られたくはない。大口開けて笑うだろう姿が安易に想像出来る。
それに色モノなイメージがこれ以上ついたら困るしな…。


いの一番と去ったシカマルに続き、赤丸の散歩の時間だと逃げ帰ったキバ。天界に還らなければと昇天した四代目の後に捨て台詞を残して走り去ったリー。
皆、オレが復讐を決めるより素早く、落ちてしまった。

カブトは緑色のスーツが気にいったらしく、浮かれ気味で軽快なスキップを踏み、森林の中へと消え去ってしまい。残された場で元の服に着替え、カツラを外し、落書きされた眉を隠したく前髪を下ろし俯いたまま決して顔を上げずと家路を辿る。






翌日
任務でいつもの場所へ行く。やって来た早々ナルトがオレを見てブッと吹き出し笑った。
「何が可笑しい?」と睨み据えて質す。すると奴は並べた歯をむきだしてニヤリと笑い

「昨日のアレな実は、最初っからサスケだけがターゲットだったんだってばよ。」


「何?」


何故ナルトが知ってる?

まさかリーの野郎…

「オレが頼んだんだ、リーに。サスケにガイスーツを着せてくれってさ。」


なんだと?

何故そんなお茶目な依頼をリーにした?
一体、何の恨みがあって…

「ナルト、てめェ…」

睨む視線から逃れるように一歩後退さむもニヤリと笑うナルト。

「まさかカブトの兄ちゃんとあんなコトになるなんて予想外だったけど楽しませてもらったってばよ、だから……」


「だから何だよ、楽しんだ代償にうちは復興資金に寄付でもしてくれるってェのかよ?」

フッ…
だとしたら少しだけ許してやってもいいかもな…。


「あのコトはナシにしといてやるってばよ!!」

あのコト?
あのコトとはなんだ?

健全な生活を送ってるオレとしては全く訳がわからねェがナルト、お前が寄付する気が更々ねェって事はわかったぜ。

それと
もう木ノ葉を信じちゃならねェって事もな…。


里抜けする確率パラメーターが昨日よりも二割り増しとなり、‥…ーーそして
オレの不幸自慢ネタ帳に、また1ページ。





-おしまい-






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