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うちはが所有する南賀ノ神社の宝庫に飾られた黄金色の不気味な仮面に何故だか酷く魅了され、俺はそれを自宅に持ち帰り、二階の自室でこの仮面に関する書物を読んでいた。
『太陽を手に入れられたならば永遠を約束される…──』
一体
どういう意味だ…?
此の面を被りし者
壮大なるチャクラ漲り強きを手にし。
人の血肉を喰らいて
不老不死なる身を保ち闇の世界のみ永遠と為るが併し、陽光には其の身溶け行く。
因って
此の仮面を被りし者
決して太陽には触れては為らぬ…
『若しも太陽と仲良くなれたなら…』等と望むよりも、我血脈を濃くとする者より窮極なる紅瞳を奪う方が利口で在ろう
仮面については大体、把握は出来たが絵空事にしか思えねェ…。
だが
イタチの持つ万華鏡写輪眼と思われる眼を奪うとは、どういう事なんだ…?
あいつが俺に
「同じ目を持て……」
と言った言葉に関連するのか…?
仮面がどうこうよりも一説を謳う内容が気になり先の頁を捲り文字の羅列に目を通したその時…――「サースケェ!」
大きなテラス窓開け放ち、いつもの様に夕飯を食いに部屋へ入って来るナルトによって時間を知らされた。
「何、読んでんだ?」
肩先に顎を乗せ
背後から覗き込む碧眼に内容を知られたくなく、咄嗟的に本を綴じ仮面を机の中へ無造作にと仕舞う。
「お前には縁のない、つまらねェ内容の本だ。」
「まーた、字ばっかの本かよ。
なァ‥、それよかサスケに早く会いたくて急いで来たセイか喉乾いちまってさ。」
「…茶でも飲むか?」
「悪りィな、サスケ!」
居間へ降り冷たい麦茶を用意し、ついでに茶菓子として煎餅を盆に乗せ、自室の両扉を僅かに開くと…
「うわァアアアーーッ!!」
「…──!!?…」
ガッシャーン‥
仮面を被り悲鳴をあげ朱色の禍々しいチャクラで身を包むナルトの姿が目に入り盆を床へ放り、直ぐにとナルトの顔から仮面を外した。
「何してんだ、このバカ!」
「…はァ…‥っ‥、何だよ、この暗部の面は……──」
面を外し投げると
一瞬、耳や尾にも見えた朱のチャクラは消え、面を外した寸節に垣間見えた紅の眼光や太くなった髭形の傷線は失せ……
いつものナルトの面に戻っていた。
「勝手に人の机開けんな。」
「悪りィ…、チラっとみた暗部の面が気になってさ。へへッ‥」
おどけたようにも
罰悪くと笑うナルトの様子から普段と何ら変わらない感じがした俺は、あの本の内容は御伽話なる俗説と判断し、……そして何となく安堵する。
「飯…食うか?」
「オレさ、ラーメンの材料買って来たから作ってやるってばよ!」
俺のした粗相を片し、ナルトが拵えてくれたラーメンを二人で食い、風呂に入る。
また自室に戻ると仮面の事など、すっかり忘れ、俺達は普段と相も変わらずな様子でベッドに潜り就寝を告げる軽い口付けを交わした。
「……サスケ‥‥」
至近にあるナルトの唇から流れる吐息が切なげに粗いでいる。
「…何だ?‥どうした?」
「……ッんん‥‥」
返答は舌を割り込む長く深い口付けで返された。
どちらの物かは区別ならない唾液を混ぜ合わせる赤舌を満遍なく動かしながら俺の下肢に伸びる掌が衣服の盛り上がりを作って行く……
「…ん…‥‥はァ、‥…サスケぇ‥‥──コレェっ、‥…欲しいよぉ‥」
「…ああ、いいぜ。‥…お前にやるよ‥、ナルト‥──」
互いの服を脱がし
素肌を触れ合い身体を重ね……
「ぁッ!……っああ!!…サスケェ──‥ッッ…」
絶頂近くと我を忘れ夢中になって腰を横揺らすナルトに煽られ熱滾った俺の一部が、ナルトと同時に達する事を伝えるよう跳ね上がった。
「ああァ‥ン、…もお、…もぉ……──ッ‥我慢できなァ…‥」
爪が背中に食い込むかに強くと篭る。いつもよりも強く…━━━
「…ぐっ!!?…」
鋭い爪先が肌を切り刻む。常とは違う痛みに背をのけ反る。
眼下で旋律を打ちつける、朱へと変わった瞳が危なげに笑っていた…‥
唇から尖った牙を剥き出しにして……
「…‥喰って、いいよな‥?」
氷の様に冷えた空気が背中を駈け登り危なくも妖しい視線に身体が石の如しと堅なった。そうして間もなく、尖った長い犬歯が左肩根の呪印にと深く刺さる。
「……くッ‥──!!」
先ほどの安堵が揺らぐ。
あの本にあった記述は、御伽話ではなく……
紛れもない事実を著した物かも知れないとの予感と共に。
それを確定付けるのに、そう時間は掛からなかった。
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