撃ち落とせ!








「さて、と。



んじゃキキョウジムでジムリーダーを撃ち落としてやるぜやろーどもぉぉおおお!!!」
「わにゃあああ!!」ばたたたんっ「きゅー!!」ばさささっ


「…ジムリーダー、とりあえず今すぐ逃げろ」
「逃げられたらボッコボコにできな…バッチが手に入らないじゃないか、なんてこと言うんだサク!」「わにゃ!」
「だから言ってんだろ……」
*****





ポケモンセンターを出てキキョウジムへ。

マダツボミの塔に行く前と同じように入ると今度はおじさんが普通にアドバイスをくれた。

けどやっぱ恨むわ。


「ついでに、ジムリーダーがいるのは上だからな」

「………上ぇ?」

「そう、あそこにパネルみたいなもんが見えるだろう?
あれに乗ればいいんだよ」

「…………すいません、上ってどれぐらいですか?」

「ん?いや、だいぶ高いが…」

「帰りますさようなら」「!?」「コラまてヒジリ」


逃げようとした私の足をがっしりと掴み動けないようにするサク。
私が高所恐怖症なの知らないのかああああ!!!!高いとこマジ無理!っていうか初めのジムがひこうタイプってとこで異常でしょ!
あれなのかなあ、私のこと大嫌いなのかなあ?いいよ私も嫌いだから!!



「とりあえず行くだけ行けよ、ジムリーダー倒せばそれで終わりじゃねーか」

「やだあ、だって高いんでしょ!落ちたらぺっちゃんこだよ!!」

「まあそういうなよ…………とりあえず行けっ!」
「んきゃあ!」

どげし、とシャンプして私の背を蹴りを入れたサクによってパネルに向かって勢いよくこけた
その瞬間、地面が動いた。景色が動いてがごんと機械音を響かせると道が現れた。


恐る恐る下を見ないようにして周りを見るととりあえず高いことは分かった。
だって向こう側にある窓がもう空!緑見えない!ダメじゃん落ちたら死ぬ!


「ひううううううダメだってええええ」

「ほら立て!さっさと倒して帰れりゃいいっつってんだろ!」

ぎゃんぎゃんと吠えるサクをはたいてとりあえず座る。「イテェ!」
きょろ、と見上げるとすぐ傍にいた人がにま、と笑った


「無意味な高さに驚いたか!」

プチッ「ほんと無意味だな喧嘩売ってんのかゴルァ」
「なんで!?」

勢いよく立ちあがって胸元をつかんだ。ヤケクソ。
そのまま「あ゛あ゛ん?」と揺さぶると涙目になられた。変なスイッチ入りかけたらサクに尻尾ではたかれて元に戻る。

そのときに掴んでいた服を離してしまった。見逃さず素早く後ずさる男の人。
そのままモンスターボールを両手で握りしめ涙目で叫ばれた。

「は、ハヤトさんに挑戦できるかたしかめてやるぜ!」


「…へえー?」


にまりと歯をむき出して笑ってしまったのはご愛嬌、ってことで。無意識だもの


*****


さっきのトレーナーが出してきたオニスズメを撃破。
んで2人目のトレーナーが出してきたポッポたちも


「ハスかみつく」

「ああああああ!!」

撃破。

「なんですか何か文句あるんですか?(足払いして)突き落としますよ?」

「何この挑戦者怖い!」


いやだってさっき私の肩押してきたじゃないですか。モロに。
ハスが押さえてくれてなかったら私落ちてたよ!?高所恐怖症の人間のこと考えろ。冷や汗が止まらなかった。


「まったくジムトレーナーも怖い人多いなあ」

「いや完全お前の方が恐怖の対象だろ」

サクの声は聞こえないことにした。



無駄にぐねぐね曲がった道を通れば広いスペース。

そこに立っている少し年上そうな男の子。
青い髪に青い和服。片目が髪で隠れている。


この人がジムリーダー?…………そうか、金銀って確かこんなだったな。
記憶がかすかすぎてほんと覚えてないけどね。確かかわいそうなことした気がする。……うんごめん。


床の木目をなぞってその子の前に立つとしっかりと目線を合わせた。


「おれがキキョウジムリーダーのハヤト!」


おおう、勢いあるな、と思えばいきなり悔しそうに語り始めた

「世間では飛行タイプのポケモンなんか電撃でイチコロ……そんなふうにバカにする
俺はそれが許せない!
大空を華麗に舞う鳥ポケモンの本当のすごさ、思い知らせてやるよ」


「はいでは撃ち落とさせていただきます!」

「なんか違うぞヒジリ!!」


そんなの知るか、とズバットを呼び出した。
対してポッポを出してきたハヤトさんにぐらっときた。
なんで皆ノーマル含みな鳥ポケだすんだ。ズバットの『おどろかす』が効かないから嫌なんだけど。


そんなこと言ってもられないのでひとまずマダツボミの塔で大活躍してくれた『きゅうけつ』
しかしあんまり痛そうにしていないポッポ。………アレ?


「アホかお前、ポッポは相性悪すぎるぞ」

「は!?どういうこと!?」

「ポッポは飛行タイプ、『きゅうけつ』は虫タイプの技、飛行タイプに虫タイプは不利。
おまけに元の技の威力が20だから半減して結果威力だけでは10しかないんだよ」

「お、おおう………!なんかサクがまともなこと言った…!!」
「どういう意味だオイ」


「…?誰と話してるんだ?」


あ、ヤバい怪しまれてる。私をじろじろ見てくるハヤトさんにびくびくしながらどうすんのよとサクを軽く足でつつく。
知るかと尻尾で返されていると


「……まさかポケモンの言葉が分かる、とか…?」

ハヤトさん正解!正しく言えばコイツの言葉だけですけどね!


「そ、そんな馬鹿な!ポケモンの言葉なんてわかるわけないじゃないですか!ましてやこんなネズミ!」

「こんなネズミってなんだ」


サクのツッコミは気にせず手をぶんぶん振ると少し怪訝な顔をされたが「……続けようか」と言われた。よかったセーフ!

……これ、ほんとに気を付けなきゃいけないよなあ。まあそんなこと考えてる場合じゃないんだけど。

「ズバット、超音波!」





*****


「ふう………」「わにゃ!」


ズバットが倒れちゃったけどなんとか撃ち落とし…いやいや倒せた。
しかしピジョンが予想以上にウザかった……。『はねやすめ』なんて技、ゲームのとき覚えてたっけ?
悔しそうにボールをもっているハヤトさんを見る。


「……ちくしょう、父さんが大切にしていたポケモンが……」

「え、お父さんのポケモン…?」
「マジでか」

なんか申し訳ない感があるんですけど。え、もしかして私が悪いの?
一応謝っておく。うんまあ普通に返されたけど。

そして手招きされると手の上に置かれたのはちいさなバッチ。
これがバッチかあ、と思いながら手の中で弄んだ。ふむ、感触的になんか高そうだ。


「それはウイングバッジ。
そのバッジがあれば、人からもらったポケモンでもレベル20までのポケモンがいうことをきくようになるだろう」

そう言われ、へーとバッチを見る。
ないときかないんだ。威厳的なものの問題なのかな。
っていうかこのとても賢いコラッタは一体何レベルなんだろうか。……30か40かそこらへん?…うん、一度訊いてみたけど「さあな」とはぐらかされたんだよ。


「ああ、そうだ」と思い出したように言うハヤトさんがとりだしたのはマダツボミの塔で見たことがある装置。
また技マシン?と思いながら受け取ると


「そのなかには『はねやすめ』が入っている。
これは最大体力の半分の量を回復させられる技だ」

「…………はい」


そんな技、あったけ?ほんとに。
…………ま、いっか。ポケモンの体力を半分も回復できるなら万々歳だし。
4次元もどきカバンに詰め込むと次はヒワダタウンに行くように笑顔で勧められた。



……ポケモンの世界の人ってかっこいいよか可愛い人の方が多いね。
ハヤトさん年上そうな感じなのに笑ったらかわいいよ。ヒビキもかわいいし。






「さすがポケモン大好き!!」「わにゃにゃー!!」
「ジム出ていきなり叫ぶな」





―――――――――――――
金銀からの飛んでリメイクだとびびります。
え、回復した!?みたいな。ピジョンには苦労した…。


あきゅろす。
無料HPエムペ!