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ポケモン×復活


8年前、俺は家を出た。

大切な妹と弟を置いて、

愛犬に家族を任せて、

婚約者から逃げるように、家を出たんだ。


それはまるで、『あの頃』の自分をたどるかのように。




家を出てから8年、

俺は25才になった。

今はキャバッローネというマフィアに拾われ、年上の同僚と共に年下のボスについている。



キャバッローネでの仕事を終え、うちのボス・ディーノと共に車に乗り込む。

「今回は長丁場にだったな、ボス」

ボスの側近・ロマーリオが話しかけと、ボスは苦笑いしながら「そうだな」と応えた。

「さすがに今回は疲れたわ」

そう言いながらも疲れを見せない顔でボスは笑う。

昨日まで、俺達キャバッローネはフランスのマフィア・バローロファミリーからの依頼で、麻薬を派手に売買していた悪徳マフィア・ビガーファミリーを取り締めていた。

しかしそれもビガーファミリーの実質的な解散という形で一段落したため、先ほどバローロの幹部達に引き継ぎを済ませてきた。

今回の仕事はかなり大々的な『お仕置き』ということで、ボスの率いるキャバッローネの精鋭で行われた。ボスを除いたその多くは先代ドン・キャバッローネの部下達であるため、技術にも身体にも年季の入ったベテランばかりだ。

そんな中なぜ25歳の若造―――つまり俺がいるかというと、答えは簡単である。

俺が、ボスの秘書をやっているからだ。

「で、次はどこ行くんだったか?」

ロマーリオが肩を回してほぐしながら尋ねる。俺は慌てて手帳をめくった。

「う、えっ……しばらくは急ぎの予定はありません、の、で……えっと……」

「日本に行こうかと思うんだ」

必死に手帳をめくっていると、俺の言葉を引き継ぐように、ボスは予定を言った。

「ほら、俺の家庭教師だったリボーンいただろ?アイツ今日本で次期ボンゴレの家庭教師やってるらしいんだ」

だから弟弟子の顔でも見に行こうかと思ってな!

そう言うボスに、ロマーリオ達は「ああそういや言ってたな」と頷く。

「おいおい駄目じゃないかジミー、ボスに予定言わせたら!」

隣に座っていたルデオに乱暴に頭を撫でられる。長い青の髪が頭の上でぐしゃぐしゃに絡まる。

「しゃあないよ、ジミー坊やはまだまだヒヨッコなんだから」

「そうそう」

ハハハと車内にみんなの笑い声が響く。俺は髪を整えながら俯いてしまった。

「いや、今のは俺が悪かった。楽しみすぎて思わずジェームズの仕事とっちまったぜ」

だがボスは俺の失態を叱ることなくそう言うと、気さくに笑った。

「まぁお前さんの仕事は『秘書』っつう名前のお勉強だからな。どうだった、今回の出入りは?少しは勉強になったか?」

ロマーリオがタバコに火を点けながら尋ねる。

「いやぁ……あんなのは始めてだったので……もう何がなんだか……」

実際のところ今回の出入りで俺はただ驚き、ビビり、敵の銃弾から逃げるくらいしか出来なかった。俺の知る『闘い』とマフィア界の『闘い』は違いすぎていて、俺は何の役にも立てなかった。

苦笑いを浮かべながら謝ると、ロマーリオは「ま、最初はな」と笑った。

「お前さんはなかなかにいいもん持ってっからよ。少し経験を積んで肝据えりゃ良いマフィアになれるぜ」

思っても見なかったロマーリオの言葉に俺は顔を上げる。

そうして見たロマーリオの顔は、冗談を言っている顔ではなく、俺を一人の仲間として見ていた。

「―――っ頑張ります!!」

俺は膝にぶつけるような勢いで頭を下げた。


これが、俺達が日本に着く前日の出来事だった。



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