03-08 「いいもの、見に行かない?」 果歩がいつになく楽しそうな顔で言った。 それに乗らないわけもなく、案内されるがままに海沿いを歩く。 歩き続けていると海水浴客が少なくなる。 海を見て一番に声を上げたのは葵だった。 「サーフィン!」 「そう。いつもいるところを悠に教えてもらったんだ」 「ちょーっと通らせてねー」 砂浜に降りる階段で海を眺めていると、サーフボードを持った女性が立っていた。 階段を開けるが女性は通らずに、果歩たちをマジマジと見た。 「もしかして…テニス部?」 「え、そうですが…」 果歩が答えると納得したように頷き、やっと階段を下りた。 「私は真紀。悠に写真を見せてもらったことがあってさ。悠に用事なら呼んでこようか?」 真紀が指した先には悠がいた。 遠くから見てわかるほど賑やかに仲間と盛り上がっている。 サーフィン仲間の中で悠は一番年下で、仲間から妹のように可愛がられている。 [*前][次#] [戻る] |