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03-04
海に着くと全員が意味深に笑う。
視線の先には繋がれた二人の手があった。




「遅いと思ったらそんな事があったんだ…」


果歩は悠の隣に座って海辺で遊ぶ黒羽たちを見ながら言う。
悠は笑顔で大丈夫だと言ったけれど、赤くなっている腕を見て果歩は悔しい気持ちになった。
いつか悠が男に呼び出される事があるだろうと思っていた。
だからこそ変な男からは守らないとダメだと思っていたのに。


「今度呼び出されるような事があったら言って!ガツンと言って…」
「…果歩?」
「ってバネがいるから私の出番はないっか」
「何言って…!」
「だって、ねぇ」


にやけている果歩の目線をたどると葵が力いっぱい手を振っている。
手を振り返すとその勢いは増して、その様子はまるで犬のようだと思った。
その輪の中から抜け出してきた亮が私の隣に座る。


「果歩、交替」
「もうお疲れ?」
「ガキの相手って案外疲れるんだよ」


果歩は笑いながら葵を目がけて輪の中に飛び込んで行く。
それを見て亮は汚れるのも気にせずに砂浜に寝転んだ。

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